本ドキュメントでは WLC バージョン 8.2/8.3 以降に実装された Smart DFS について説明します。
DFS (Dynamic Frequency Selection) 機能により、アクセスポイントは利用しているチャネルにてレーダを検知した場合、利用しているチャネルを他のチャネルに遷移させ、レーダを検知したチャネルは 30分間使用できません。
ただし、レーダを検知してから 30分後は再度チャネルが利用可能になるため、頻繁にレーダを検知するチャネルがある場合は、無駄なチャネルの遷移が発生する場合があります。
この無駄なチャネル遷移を避けるため、頻繁にレーダを検知するチャネルにおいて、利用停止時間を延長させる機能が Smart DFS です。過去24時間以内にレーダを検知したチャネルで再度レーダを検知した場合、利用停止時間が60分、120分と16時間まで倍々に増えていきます。また、過去にレーダを検知してから24時間経過した場合、利用停止時間は 30分に戻ります。
Smart DFS はデフォルトで有効となっておりますが、WLC バージョン8.2.141.0/8.3.111.0 以降は、以下のとおり設定変更が可能です。
CLI: config 802.11h smart-dfs <enable | disable>
GUI: WIRELESS > 802.11a/n/ac > DFS (802.11h) > Radar Blacklist > Smart DFS
Smart DFS は特定のチャネルのみ頻繁にレーダを検知する環境においては、無駄なチャネルの遷移を避ける利点がある一方、複数のチャネルで頻繁にレーダを検知する環境においては利用できるチャネルが限られてしまうため、環境に合わせて、有効/無効を設定してください。
参考ドキュメント:
DFS (Dynamic Frequency Selection) の動作例とその対応
802.11a/n/ac 5GHz 帯でレーダを検知した (DFS) 履歴を確認する方法 [CUWN]