はじめに
このドキュメントでは、FN70330 の対処に用いられる WLAN Poller を Windows 10 上でインストールして実行する方法を紹介します。
基本的には以下のドキュメントに記載されている内容を日本語化したドキュメントとなります。
Understanding Various AP-IOS Flash Corruption Issues
https://www.cisco.com/c/en/us/support/docs/wireless-mobility/wireless-lan-wlan/213317-understanding-various-ap-ios-flash-corru.html
WLAN Poller のインストールと事前準備
- 次のリンクから Python 2.7.14 をダウンロードし、インストールして下さい
※ WLAN poller インストールするためには Python 2.7 をインストールする必要があります
※ Windows が 32bit 版であれば Windows x86 MSI installer、64bit 版であれば Windows x86-64 MSI installer をインストールして下さい
- 次のリンクから Windows クライアントの Python 向け C++ コンパイラをダウンロードし、インストールして下さい
- Windows 上で Python コマンドが認識されるようにパスを設定します
3-1. Control panel の System から [Advanced System Settings] を選択して下さい

3-2. System Properties ウィンドウが開いたら [Environment Variables…] を選択して下さい

3-3. Environment Variables ウィンドウが開いたら [System variables] から [Path] を選択して [Edit...] をクリックして下さい

3-4. Edit environment variables ウィンドウが開いたら [New] をクリックして Python 2.7.14 のベースディレクトリとスクリプトディレクトリへのパスを追加して下さい
C:\Python27
C:\Python27\Scripts

追加したら [OK] をクリックします。
全ての設定ウィンドウを閉じて下さい。
- 管理者としてコマンドプロンプト(もしくはPowerShell)を起動したら、"pip --version" を入力して pip がインストールされているか確認して下さい
※インストールされていなければ pip コマンドが認識されない旨のメッセージが表示されます
※以下はインストールされている場合の出力例です

コマンドラインの代わりに C:\Python27\Scripts フォルダに pip、pip2、pip2.7 という名前のファイルが保存されていることからも確認することができます。

pip がインストールされていれば、ステップ4-4 の pip のアップグレードに進んでください。
pip がインストールされていなければ、ステップ4-1 の pip のインストールに進んで下さい。
4-1. 次のリンクから get-pip.py をダウンロードしたら、C:\Python27 に保存して下さい

4-2. もし get-pip.py がテキスト形式の拡張子を持っている場合は(get-pip.py.txt)、rename コマンドで拡張子を外して下さい


4-3. "python get-pip.py" を実行して下さい

4-4. "pip install --upgrade pip" を実行して最新のバージョンに pip をアップグレードして下さい

- WLAN poller スクリプトをダウンロードし、インストールします
5-1. 次のリンクから WLAN poller スクリプトをダウンロードして、WLAN poller ファイルを保存する特定のディレクトリに保存して下さい
※ ダウンロードには適切な権限を持った CCOID が必要になります
※ この例では新規作成した WlanPoller ディレクトリにスクリプトを保存しています
5-2. スクリプトのあるディレクトリに移動して“pip install wlanpoller-0.7.1.dev90_md5rcv.tar.gz”コマンドを実行し、スクリプトをインストールして下さい

5-3. WLAN poller で取得した情報を保存するディレクトリを作成して下さい
※ この例ではWLANPoller-Info ディレクトリを作成しています
5-4. ディレクトリに移動して“wlanpoller --generate-configs” を実行し、必要なファイルが作成されていることを確認して下さい

- ステップ5-4 で作成された config.ini を編集して下さい
WLC と AP への接続方法は ssh を指定します。
別途 AP への SSH 接続を許可するための設定が必要です。(参考: 集中管理型APへのTELNET/SSH設定方法)
; config global mode for WLC and AP connection: "ssh" or "telnet" mode: ssh ap_mode: ssh |
WLC にログインするためのクレデンシャルを設定します。
; set global WLC credentials wlc_user: <wlc_user> wlc_pasw: <wlc_pasw> |
AP にログインするためのクレデンシャルを設定します。
; set global AP credentials ap_user: <ap_user> ap_pasw: <ap_pasw> ap_enable: <ap_enable> |
AP の Flash の check/recover を実行するかどうか指定します。
; ap file system checks (WARNING: recover will force IOS image download and AP reload) ap_fs_check: False ap_fs_recover: False
|
不具合影響を受ける AP の特定のみを行いたい場合は以下に変更します。
ap_fs_check: True
ap_fs_recover: False
不具合影響を受ける AP の特定と回復を行いたい場合は以下に変更します。
ap_fs_check: True
ap_fs_recover: True
[WLC-1] は WLC の System name を確認したうえで [WLC-<wlcname>] の形式に書き換えます。
[ipaddr] には WLC の Management IP address を設定します。
; WLC sections must be named as [WLC-<wlcname>] [WLC-1] active: True ipaddr: <wlc-ip-addr> ;mode: ssh |
AP の情報は WLC から取得できますので [AP-List] の作成は不要です。
WLAN Poller の実行方法
WLAN Poller のインストールと事前準備 ステップ5-4 のディレクトリ(この例では WLANPoller-Info ディレクトリ)で "wlanpoller --cli-logging" を実行して下さい。
不具合影響を受ける AP の回復を実施する際には再起動が発生しますので、メンテナンスウィンドウを設けて作業実施いただくことをおすすめします。
スクリプトの処理が終了すると以下の例のようなサマリが表示されます。
============================================================ Summary ============================================================ Total APs : 1 Processed APs : 1 Failed APs : 0 ============================================================ Errors ============================================================ AP MD5 checksum mismatch : 2 AP FSCK recover : 1 ============================================================ |
またディレクトリ配下に自動生成された logs フォルダにスクリプト実行ログ、data フォルダにレポートが保存されます。
レポートの確認方法は
こちらのドキュメントを参考にしてください。
スクリプトの実行でも回復できない AP がある場合は、
こちらのドキュメントを参考に手動での回復を試みてください。
参考情報
Access Point における Flash 不具合と対応について(FN70330)
https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3372435
Field Notice: FN - 70330 - Cisco IOS Access Point Stranded Due to Flash Corruption Issue - Workaround Provided
https://www.cisco.com/c/en/us/support/docs/field-notices/703/fn70330.html