2023-06-09 07:53 PM 2023-07-07 05:53 PM 更新
このフォーラムは、6/7 に開催したシスコ コミュニティライブ Wireless TAC Time - 今すぐ現場に効く Tips 紹介 - のフォローアップイベントです。このウェビナーの内容についてご質問がある場合は、このフォーラム終了日前日の 2023 年 7 月 6 日(木)までに送信してください。ご質問できる対象範囲についてはプレゼンテーション資料とウェビナー録画、既出の質問を確認するには Q&A 集をご確認ください。
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エキスパート紹介
大﨑 秀行(Hideyuki Osaki) - 在学研究中から UWB 車載レーダなどの無線開発に関わり、情報通信工学を修了。シスコシステムズに入社後はルータ、スイッチ、ブロードバンドルータなどのサポートを経てワイヤレス (Wi-Fi) チームに異動。一貫してワイヤレス製品のサポートを担当し、2回のオリンピックパラリンピックの現地サポートおよびリード、SMBから国内外の中央省庁、海外エンタープライズなどの大障害サポートを多数経験。現在は Japan Wireless TACチームリードおよび CXC Technical Leader としてエンタープライズソリューション全体のサポートと、製品開発 BU との折衝の日々を過ごす。2023年4月「ネットワークエンジニアの教科書」を共著にて出版(Wirelessセクションを担当)。
田川 真樹(Masaki Tagawa) - 情報科学専攻にて修士を取得後、シスコシステムズ合同会社に新卒として入社。研究テーマは無線メッシュネットワークと OpenFlow - SDN (Software Defined Networking) 技術を使った通信制御。シスコではプリセールス部門で SDN 関連の技術支援を行い、現在はカスタマーエクスペリエンス (CX) 部門にてカスタマーサクセススペシャリストとして従事。共通化・体系化されたシスコの推奨(ベストプラクティス)に基づいた技術的なコーチングセッションを提供することで、お客様やパートナー様の成功体験のお手伝いをさせていただく活動を行っている。
上述 大﨑 秀行(Hideyuki Osaki) の他、シスコ TAC エンジニアが多数共著者として参画。前回第二版の公開から約 4 年、今年 4 月の刊行にあたり、約 1 年のプロジェクト期間を経てこのたび第三版を公開。現在好評につき増刷決定。働き方の変化のトレンドにも対応した内容となっており、ネットワークエンジニアだけでなく提案に関わる担当者にもお勧めとなっている。共同執筆者は下記のとおり(敬称略)。
・ルータ・スイッチ担当 中島 康裕 Yasuhiro Nakajima 山田 健斗 Kento Yamada 塩津 達郎 Tatsuro Shiotsu 張本 大成 Hironari Harimoto |
・ワイヤレス担当 大﨑 秀行 Hideyuki Osaki |
・セキュリティ担当 加藤 絢一郎 Kenichiro Kato 中村 隆之 Takayuki Nakamura |
・データセンター担当 山本 大輔 Daisuke Yamamoto 梶浦 慶人 Keito Kajiura 細川 海人 Kaito Hosokawa 浅野 拓也 Takuya Asano |
・モバイル担当 南部 泰亮 Yasuaki Nambu |
・コラボレーション担当 吉永 祐亮 Yusuke Yoshinaga 佐藤 剛史 Takeshi Sato |
・ネットワーク・マネジメント・システム担当 長尾 誠 Makoto Nagao |
・ハードウェア担当 森川 寛之 Hiroyuki Morikawa 中村 忠司 Tadashi Nakamura |
・オートメーション・オーケストレーション担当 岩本 彰 Akira Iwamoto |
・テクニカルリード 小上 賢一 Kenichi Ogami ・プロジェクトマネージャー 竹内 ゆき子 Yukiko Takeuchi |
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2023-07-03 08:45 AM
こんにちは。ご質問いただきありがとうございます。
いえ、一般論としては無効化することはお勧めしません。
ご認識の通り、Adaptive FT は Apple 端末にのみ対応する、というか Apple 端末のみが情報を解釈して FT の動作を行う機能であり、他社の端末では対応しておりません。
しかしながら他社端末にとっては無害な情報が AP からの無線フレームに含まれているだけであり、このような混在環境にこそ用意された機能が Adaptive FT です。解釈できる端末はその恩恵を受け、解釈できない端末もまた普段通りに使うことができます。Apple 端末が FT により不要な Probing などを実施しなくなると、その分他社端末にも帯域増加という形でメリットがあります。
ただ、この AP からの Apple 端末向け付加情報を解釈できないことで、その AP への接続を遠慮してしまう端末が稀に存在することがありますので、そのような状況が多数見えてきたような場合は無効化せざるを得ないと思います。
2023-07-03 08:55 AM
こんにちは。当日参加できなかったとのことで、それでもご興味を持っていただき、ありがとうございます!録画や資料は後からも視聴可能なので、ぜひ見てみてくださいね。
さて、それはやはり TAC Times! と答えたいところですが、それ以外ですと、次の2つは特に推薦できます。
これはその名の通りシスコが推奨するソフトウェア情報をタイムリーに提供しております。重大な不具合が発生してないか、障害件数が急成長していないか、など多岐にわたる要素を考慮してほぼ毎月更新しています。URI にちょっと名残があるのが見えますけども、実はこのページの主体は私達 TAC でして、逐次開発部門と連携しながら情報を掲載しています。
最近はここのページとソフトウェアダウンロードページの “Suggested” マークが一致することが多いかと思います。
2023-07-05 01:37 PM
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、APSP (AP Service Pack), APDP (AP Device Pack), Hot patch, SMU を利用する際には Network Advantage ライセンスが必要です。
ワイヤレス製品において、機能とライセンスの対応関係はこちらのページにて整理しておりますので適時ご参照ください。
ご質問いただきましたパッチ機能は Advanced high availability and resiliency (patching) features に該当しており、これは Network Advantage ライセンスにて提供される機能です。
そのため、別途特別な案内がない限りは、不具合対応のために APSP や SMU を適用できる機器は Advantage ライセンスでお買い上げいただいたものであるとご認識ください。
2023-07-06 11:22 PM
こんにちは。CSCwe01579 についてですね。セミナー中では AP の台数が多い時に発生しているようだとお伝えしましたが、その後の調査に進展があり詳細がわかりました。これは AP が何らかの理由により WLC から Join が外れている場合に、RRM に関する情報のやり取りが AP と WLC の間で発生した時に、稀に WLC が Crash してしまうことがあるというソフトウェア不具合です。従って、AP が安定的にWLC に Join している場合は発生することはありません。RRM は基本的に常に動いている機能ですので、AP が外れている機会が多い場合は遭遇する確率が上昇すると捉えてください。ただし、Joinしていない場合に必ず発生するものではありません。実績として報告されているのが、数千台規模の AP が一斉に Join が外れていた場合、となっております。
幸いこの不具合は今月リリース予定のソフトウェアで修正済みとなっておりますので、リリースされたらアップグレードもご検討ください。
2023-06-12 03:01 PM
ご担当者様
いつもお世話になっております。
私は社内インフラを管理・運用しているものです。
TAC様への問い合わせ前にユーザ側で実施しておくべき具体的な現地切り分け方法 や 具体的な現地調査内容についてご教授下さい。
例えば、web会議を行っている無線LANユーザから単に「無線が切れた。会議が途中で切れた」との連絡があったと仮定します。
障害原因としては、端末・無線LAN・ネットワーク機器・サーバ・インターネット回線等が考えられますが、端末側から調査していく事が妥当と考えています。まずは端末のMACアドレスを確認。障害発生時に同じ無線APに接続している他の端末はどうだったか?などをヒアリングしていきますが、その他どのようなツールを使用してどのような調査が有効かを具体的にご教授下さい。TAC様としてはどのような情報があれば、調査しやすいでしょうか?
2023-06-19 05:48 PM 2023-06-19 05:56 PM 更新
こんにちは。
お問い合わせいただき、ありがとうございます。いただいた内容は本セミナーとは直接的には関わりがないように思えますが、"Ask Me Anything" ということなので、私の意見をお伝えします。
お問い合わせに対して包括的な回答を提供しているのが、セッションでもご紹介した「ネットワークエンジニアの教科書」の、第10章「トラブルシューティングガイド」(221ページ目から)ですので、ぜひ参照いただきたいと思います。
その中ではより具体的に解説をしていますが、無線LANに限らず、いきなりどこかの一部に着目したトラシューを開始しない方が良い、ということが言えると思います。クライアントから始めるべきか、サーバから始めるべきか、はたまたネットワーク機器なのかケーブルなのか、色々な被疑ポイントは出てきますが、最も重要なことは、正確に詳細に問題を把握するということです。私たちはProblem Description (問題の定義)と呼んでいますが、一体どのような問題なのかを、できる限り詳細に定義することが最初にやるべきことです。
最初はユーザ視点からなので大まかな問題把握から始まると思いますが、それをどんどんブレイクダウンしていって、プロトコルレベルに落とすということですね。例えばですが、次のようなイメージです。途中でブレイクダウンするための質問文の例を書いてみます。
1. 無線が切れた。会議が途中で切れた。
"どんな会議ですか?使ったアプリは何ですか?発生時刻はいつですか?今でも再発しますか?その問題に遭遇したのはあなただけですか?以前は問題なく使えていましたか?"
2. Webex Meeting を実施しているときに、まずビデオが見えなくなり、次に音声も聞こえなくなった。最終的に会議室から退出してしまった。発生時刻はx月x日のx時x分頃。定例会なので毎週同じ時間で実施しているが、今回初めてこのような事象が起きた。その会議では私だけがその事象にあったようで、他の参加者は何も問題なく会議ができていた。
”Webex meeting はどのように参加しましたか?プラットフォームは何ですか?参加場所はどこでしたか?”
3. いつもは会議室備え付けのWebexデバイスからだが、今回は主催者が在宅で会議室が予約されていなかったため、自席からパソコンで参加した。他の参加者は在宅だったり、別フロアから参加していたようだ。
"他の問題が発生していなかった参加者とあなたの席では無線環境に違いがありますか?APの配置図などはありますか?そのパソコンは他の参加者も同じものを使用していますか?無線LANを使っているときに、Webex meeting 以外のアプリケーションでは問題は起きていませんか?”
4. 配置図はすぐには手に入らないけど、依頼してみる。フロアによって間取りや席数に違いはあるが、使い方は似たようなものだと思う。パソコンは会社貸与の同じものを使っている。Webex以外でも、時折イントラネットが重いなと思う時はある。
”パソコンの型番、OS、バージョン、無線NICのバージョンを教えてください。また、正常だった参加者のものも教えてください。イントラネットはどのように使っていますか?イントラネットが重いのは最近の話なのか、以前からなのか、どちらでしょうか。”
5. xxx製のxxxというモデルで、Windows10 のバージョンxxxになっている。無線NICはIntel製品のAX200で、バージョンはxx.xxxとある。他の参加者も Windows10 だったそうだ。イントラは基本ブラウザで社内のポータルサイトにアクセスし、そこで色々な情報をやり取りしている。これは以前から重いので、サイトの中の問題だと思う。
”同じバージョン、同じパソコンで、同じ症状を訴えている人はいますか?あなたの場所の近くで同じ症状を訴えている人はいますか?”
6. 自席の近くに座っている人に聞いてみたけど、同じような症状を別の日に経験した人がいた。やはりWebex meeting に自席から参加していたら、途中で切れてしまったそうだ。同じバージョンだった。
"それはいつ頃の話かわかりますか?”
7. x月x日のxx時頃だそうだ。
...以下まだまだ続く。
というような具合です。ヒアリングすることはたくさんありますが、基本的には問題のあったパターンと、問題の出ていないパターンを比較し、発生する条件を探していく作業です。その条件は 5W1H に基づいてヒアリングをし、途中で出てくる疑問点は納得するまで追求するということが大切だと思います。また、上の例でいうとイントラも遅いという話が出てきますが、時系列的に直接関係がなさそうなので、それは一旦横に置いておく、といった判断をして、フォーカスするべき問題は何かということも常に意識しておく必要があります。
無線LANなので、物理的地理的な情報もヒアリングで得ていきたいところです。ヒアリングして行った結果、最終的には次のような Problem Description へと形が変わることも、珍しくありません(というかほとんどの場合がそうです)。
定義し直された Problem Description:
水曜日の午前中に、特定のフロアの特定のAP付近で、会議の参加者が自分のパソコン(種類バージョン)を使って Webex Meeting にアプリ経由で参加している時に、まず自分の映像が他の参加者に表示されなくなり(音はまだ聞こえる)、その後音も届かなくなり、最終的にWebexミーティングから退席した状態になる。同じ種類のパソコンであっても他の場所では発生せず、その場所付近に持ってくると発生する。また、同じ時刻で木曜日に実施する会議では全く発生しないし、他のブラウジングなどではそれほど問題はないように思える。
ここまで来れば、場所や時刻、およびプロトコル(リアルタイム性の高いプロトコルや、802.11 プロトコル)に着目をすれば良いのだなということがなんとなく見えてきますよね。
上記のようなヒアリングを経て、問題の出た状況と出ていない状況それぞれの必要な情報要素を取得した上で、ログの依頼に入ります。具体的には次のような要素です。
- 時刻情報
- クライアントのMACアドレス(複数)
- 同 IPアドレス
- AP配置図面に基づいた AP の名前や IP アドレス
- クライアントの種類、バージョン
依頼する内容は基本ログの他に RA Tracelog やパケットキャプチャ(WLC, AP, クライアント)になるでしょう。場合によってはSniffer AP を使った無線キャプチャも必要です。
また、Webexということであれば Webex 標準の診断機能を利用してどのような問題が起きていたのかをアプリの視点からも知ることもできます。それらの情報をもとに情報提供できないか依頼することもあるかもしれません。すべての情報を APと WLCから得ようとするのではなく、関連するものはすべて活用して情報収集することが重要だと思います。
以上です。
2023-06-30 04:51 PM
こんにちは、Adaptive FT の設定について質問させてください。
こちらは Apple 製品に対してのみ作用する機能だと思いますが、Apple 製品以外のクライアント、例えば Android 端末が存在する場合は無効にしておいた方が良いのでしょうか。
2023-07-03 08:45 AM
こんにちは。ご質問いただきありがとうございます。
いえ、一般論としては無効化することはお勧めしません。
ご認識の通り、Adaptive FT は Apple 端末にのみ対応する、というか Apple 端末のみが情報を解釈して FT の動作を行う機能であり、他社の端末では対応しておりません。
しかしながら他社端末にとっては無害な情報が AP からの無線フレームに含まれているだけであり、このような混在環境にこそ用意された機能が Adaptive FT です。解釈できる端末はその恩恵を受け、解釈できない端末もまた普段通りに使うことができます。Apple 端末が FT により不要な Probing などを実施しなくなると、その分他社端末にも帯域増加という形でメリットがあります。
ただ、この AP からの Apple 端末向け付加情報を解釈できないことで、その AP への接続を遠慮してしまう端末が稀に存在することがありますので、そのような状況が多数見えてきたような場合は無効化せざるを得ないと思います。
2023-07-04 09:17 AM
わかりやすいご回答をありがとうございました!