はじめに
電話網でコールが切断された時、ビジートーン(話中音)が聞こえます。
NTT電話網の場合、ビジートーンはコールの状態を通知するために、網内の交換機
で生成されます。
ビジートーンは、通話者にとってはコールの状態を知るためのするための有用な音ですが、
音声会議システムやボイスメールシステムにおいては不要な音になる場合があります。
このドキュメントでは、Voice GW装置でのビジートーンの処理方法について解説します。
1.ビジートーンが不要な場合の例
ISDNインタフェースでNTT電話網に接続されている場合、通話中のコールが切断
されると、NTT交換機から切断メッセージ(Disconnect)が送信されてきます。
このメッセージには、経過識別子(Progress Indicator)の情報要素が
含まれており、その値は通常"8"に設定されています。
PI=8 は、"In-band information or an appropriate pattern is
now available." という意味で、NTT交換機はインバンドトーンでビジートーンを
端末側(通話者)に提供します。
このビジートーンは、通話者がコールが切断されたことを認識する為には有用ですが、
以下のような問題を引き起こす可能性が考えられます。
(1) 音声会議システムの場合:一人の参加者が抜けた際に、他の参加者に
ビジートーンがしばらく聞こえる。
(2) ボイスメールシステムの場合:残される音声メッセージの後ろにビジートーンが
付加される。

2.Voice GWでのビジートーンの処理方法
Voice GW装置では、設定によりDisconnectメッセージ(PI=8)を受信した際の
動作を変更することができます。
(1) デフォルト設定の動作
内線側から電話網への発信コールの場合、外線側でコールが切断されたとき
内線側にはビジートーンが聞こえます。
電話網から内線側への着信コールの場合、外線側でコールが切断されたとき
内線側にはビジートーンは聞こえません。

(2) 着信コールでビジートンを聞こえるようにしたい場合
以下のコマンドを設定します。
voice disc-pi-incoming-on
この設定は、人による通話のみの場合に適しています。

(3) 発信コールでビジートーンを聞こえないようにしたい場合
以下のコマンドを設定します。
application
service Default
paramspace session_xwork convert-discpi-after-connect enable
この設定は、会議システム等が内線側に存在するときに適しています。

まとめ
外線側でコールが切断された際、内線側でビジートーンが聞こえるかどうかは、Voice GW の
設定で変更することができます。
ユーザの利用形態に合わせて、Voice GW の設定を変更してご利用ください。