Expressway が送受信する SIP メッセージの確認方法

[Kenichi Ogami]

• はじめに
• SIP メッセージの確認手段
• Wireshark
• TranslatorX
• Collaboration Solutions Analyzer (CSA)
• 参考情報

はじめに

本ドキュメントは、Cisco Expressway が送受信する Session Initiation Protocol (SIP) メッセージの確認方法を紹介します。SIP メッセージを確認することによって障害発生時の問題の切り分けを行うことができます。

SIP メッセージの確認手段

Expressway が送受信する SIP メッセージは主に以下の方法で確認できます。

• Wireshark
• TranslatorX
• Collaboration Solutions Analyzer (CSA)

Wireshark

Expressway が送受信するパケットを外部 PC でキャプチャしたファイル、もしくは Expressway で取得したキャプチャファイルを Wireshark ツールで SIP メッセージの内容を確認することができます。ただし、TLS で暗号化された SIP メッセージの内容は表示できません。

キャプチャファイルを Wireshark で開き、Filter に sip と入力すると UDP もしくは TCP の SIP メッセージが出力されます。

また、Wireshark のタブより [Telephony] > [VoIP Calls] を選択するとコールの一覧が表示されます。

VoIP Calls の Flow Sequence をクリックするとコールシーケンスが表示されます。

sip でフィルタして表示されない場合は TLS で暗号化されている可能性があります。tcp.port == 5061 とフィルタして、TLS のメッセージが表示されている場合は暗号化されているため SIP メッセージの内容は確認できません。次の TranslatorX や CSA を使ってログから SIP メッセージを確認する必要があります。

TranslatorX

TranslatorX ツールは Cisco コラボレーション製品のプロトコルログをデコードするツールです。このツールを利用して Expressway の Diagnostics ログをデコードして SIP メッセージを表示することができます。TranslatorX はローカル PC で動作するツールのためインターネットに接続されていなくても利用することができます。

Diagnostics ログは Expressway にログインし、[Maintenance] > [Diagnostics] > [Diagnostic logging] を選択したメニューで取得することができます。 詳細な取得方法は [VCS / Expressway のログ取得方法 (X8.1.x 以降) ] を確認してください。

Diagnostics ログは、diagnostic_log_[ホスト名]_[日付].tar.gz の名前で保存されます (例: diagnostic_log_vcsc_2018-08-02_04_21_55.tar.gz)。この gz ファイルを解凍すると loggingsnapshot_[ホスト名]_[日付].txt (例: loggingsnapshot_vcsc_2018-08-02_04/21/55.txt) という txt ファイルが出力されるので、このファイルを TranslatorX ツールで開くと SIP メッセージを確認することができます。

確認したいコールの発信時刻などから該当の SIP メッセージを探して選択し、タブから [Filter] > [Add to Filter from Selected Message] > [SIP Call ID] を選択すると、該当のコールのみフィルタされて表示されます。

右下の [Generate Diagram] をクリックするとコールシーケンスが表示されます。

TranslatorX については、こちらのドキュメントもご参照ください。

• TranslatorX によるトレースログのトラブルシューティング  

Collaboration Solutions Analyzer (CSA)

Collaboration Solutions Analzer (CSA) はシスコクラウド上に Expressway から取得した Diagnostics ログ (diagnostic_log_[ホスト名]_[日付].tar.gz) をアップロードすることによって、SIP メッセージのデコードだけでなく、システム情報の表示、診断機能、Diagnostics ログに含まれるパケットキャプチャの解析など、豊富な機能を提供します。なお、クラウドへアップロードされるログファイルはセキュアに保護されています。

機能の詳細は以下のドキュメントをご参照ください。

• Expressway のログ解析 - Collaboration Solutions Analyzer (CSA)

参考情報

• Wireshark
• VCS / Expressway のログ取得方法 (X8.1.x 以降) 
• TranslatorX
• TranslatorX によるトレースログのトラブルシューティング  
• Collaboration Solutions Analyzer (CSA) による構築支援とログ解析
• Expressway のログ解析 - Collaboration Solutions Analyzer (CSA)

[Kenichi Ogami]

はじめに

本ドキュメントは、Cisco Expressway が送受信する Session Initiation Protocol (SIP) メッセージの確認方法を紹介します。SIP メッセージを確認することによって障害発生時の問題の切り分けを行うことができます。

SIP メッセージの確認手段

Expressway が送受信する SIP メッセージは主に以下の方法で確認できます。

• Wireshark
• TranslatorX
• Collaboration Solutions Analyzer (CSA)

Wireshark

Expressway が送受信するパケットを外部 PC でキャプチャしたファイル、もしくは Expressway で取得したキャプチャファイルを Wireshark ツールで SIP メッセージの内容を確認することができます。ただし、TLS で暗号化された SIP メッセージの内容は表示できません。

キャプチャファイルを Wireshark で開き、Filter に sip と入力すると UDP もしくは TCP の SIP メッセージが出力されます。

また、Wireshark のタブより [Telephony] > [VoIP Calls] を選択するとコールの一覧が表示されます。

VoIP Calls の Flow Sequence をクリックするとコールシーケンスが表示されます。

sip でフィルタして表示されない場合は TLS で暗号化されている可能性があります。tcp.port == 5061 とフィルタして、TLS のメッセージが表示されている場合は暗号化されているため SIP メッセージの内容は確認できません。次の TranslatorX や CSA を使ってログから SIP メッセージを確認する必要があります。

TranslatorX

TranslatorX ツールは Cisco コラボレーション製品のプロトコルログをデコードするツールです。このツールを利用して Expressway の Diagnostics ログをデコードして SIP メッセージを表示することができます。TranslatorX はローカル PC で動作するツールのためインターネットに接続されていなくても利用することができます。

Diagnostics ログは Expressway にログインし、[Maintenance] > [Diagnostics] > [Diagnostic logging] を選択したメニューで取得することができます。 詳細な取得方法は [VCS / Expressway のログ取得方法 (X8.1.x 以降) ] を確認してください。

Diagnostics ログは、diagnostic_log_[ホスト名]_[日付].tar.gz の名前で保存されます (例: diagnostic_log_vcsc_2018-08-02_04_21_55.tar.gz)。この gz ファイルを解凍すると loggingsnapshot_[ホスト名]_[日付].txt (例: loggingsnapshot_vcsc_2018-08-02_04/21/55.txt) という txt ファイルが出力されるので、このファイルを TranslatorX ツールで開くと SIP メッセージを確認することができます。

確認したいコールの発信時刻などから該当の SIP メッセージを探して選択し、タブから [Filter] > [Add to Filter from Selected Message] > [SIP Call ID] を選択すると、該当のコールのみフィルタされて表示されます。

右下の [Generate Diagram] をクリックするとコールシーケンスが表示されます。

TranslatorX については、こちらのドキュメントもご参照ください。

• TranslatorX によるトレースログのトラブルシューティング  

Collaboration Solutions Analyzer (CSA)

Collaboration Solutions Analzer (CSA) はシスコクラウド上に Expressway から取得した Diagnostics ログ (diagnostic_log_[ホスト名]_[日付].tar.gz) をアップロードすることによって、SIP メッセージのデコードだけでなく、システム情報の表示、診断機能、Diagnostics ログに含まれるパケットキャプチャの解析など、豊富な機能を提供します。なお、クラウドへアップロードされるログファイルはセキュアに保護されています。

機能の詳細は以下のドキュメントをご参照ください。

• Expressway のログ解析 - Collaboration Solutions Analyzer (CSA)

参考情報

• Wireshark
• VCS / Expressway のログ取得方法 (X8.1.x 以降) 
• TranslatorX
• TranslatorX によるトレースログのトラブルシューティング  
• Collaboration Solutions Analyzer (CSA) による構築支援とログ解析
• Expressway のログ解析 - Collaboration Solutions Analyzer (CSA)