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Hiroshi Ishiyama
Cisco Employee
Cisco Employee

はじめに

コミュニケーションの手段としては、電子メール、チャットツール、Web会議等が主流になっていますが、
日本国内では依然FAX装置が利用されています。
Cisco社のコラボレーションシステムでは、みなし音声方式、Relay方式、Passthrough方式等で
FAX/FoIP(FAX over IP)通信をサポートします。
このドキュメントでは、FoIP通信で不具合が発生する要因について説明します。

1.FAX/FoIP通信で問題が発生する主な要因

  Voice GW、CUCM の FoIP 関連の設定が正しく行われていない場合、音声通信モード
  からFAX通信モードへの切り替え(Switch Over)が正しく行われず、FAX通信に失敗する
  場合があります。使用する FoIP 方式に応じた設定が正しく行われていることを確認して
  ください。
  FoIP通信は、VoIPネットワークの品質(Packet Loss/Delay/Jitter)、電話回線の
  品質(デジタル回線の同期問題、音声レベル)の影響を受けやすく、不具合の発生頻度も
  高い傾向にあります。
 
  G4 FAXのデジタル通信は、CiscoのFoIPではサポートしいないため、G3 FAXモードに
  フォールバックさせる必要があります。
  ATA191のT.38 FAX Relay機能等は、Super G3 FAX (V.34全二重モデム)を
  サポートしていません。
  Super G3 FAX通信で問題が発生する場合、FAX機器側の設定変更で、標準G3 FAX
  通信に切り替えることにより改善する場合があります。
  頻度は低いですが、Voice GW等のソフトウェア不具合によりFAX通信に問題が
  発生する場合があります。その場合、ログの調査により、ソフトウェアの修正での対処が
  可能かを検討します。
  FAX通信プロトコル(T.30)の相互接続性の問題が発生した場合、FoIPプロトコル
  の変更(FAX RelayからPassthrough方式へ変更等)で改善しないか確認します。
  FoIP通信では、通常のFAX通信に比べて、遅延が発生することが避けられません。
  FAX通信プロトコルに起因した問題の場合、対処が難しい場合もあります。

2.システム構成別に発生しやすい問題

  以下は、典型的なFoIP通信システム構成で発生しやすい問題と対処方法の例です。

FAX5.jpg

  ISDN回線が、NTTのINSネット64/1500の場合、すべての回線は同一のクロックで動作
  しているため、Voice GWは、すべてのポートでクロックを受信(従属同期)するように
  設定します。ひかり電話等で、回線ごとに異なるクロックを受信する可能性がある場合、
  Voice GW を複数のクロックドメインで構成する(異なるNIMカードに接続する)ことが
  必要になります。

FAX6.jpg

  WAN回線の伝送品質に問題がある場合、QOSの設定変更、回線プロバイダの変更での
  対処が必要になります。
  比較的小さなJitterの問題であれば、Voice GWのジッタバッファを固定(大きめ)に
  調整することにより改善する場合があります。ATA191のジッタバッファはダイナミック方式
  のため調整は困難です。T.38 FAX Relay方式に変更することにより改善する可能性は
  あります。
  比較的小さな Packet Loss の場合、T.38 Redundancy機能により改善する
  可能性はあります。

FAX7.jpg

  海外のSIP Service Providerでは、T.38 Fax Relay方式のFoIPがサポート
  されている場合が多いですが、国内のProvider(IP Voice等)ではサポートされていません。
  みなし音声方式で、FAX通信をサポートする場合、CUBEの設定で、音声コーデックを
  G.711に設定し、FAXプロトコルの設定を無効します。
  この構成では、SIP Service ProviderのRTPパケットの伝送品質が悪い場合、
  FAX通信に影響することが考えられます。
  また、VoIPの区間のいずれかに、エコーキャンセラー(NLP)の有効な機器がある場合、
  Super G3(全二重 V.34 モデム)FAXに影響します。その場合、FAXの設定変更等により
  標準G3(半二重モデム)FAXの通信を試みます。

FAX8.jpg

  PBX装置とVoice GWをデジタル回線で接続する場合、PBX業者と調整しクロック同期
  の方向を決める必要があります。PBXが外部のNTT ISDN回線に接続されている場合、
  Voice GWをPBX装置のクロックに従属させるのが一般的です。
  WAN回線の伝送品質に問題がある場合、QOSの設定変更、回線プロバイダの変更での
  対処が必要になります。

まとめ

FAX/FoIP通信で不具合は様々な要因で発生します。
不具合の解決が難しい場合、必要な情報を収集し、ログを取得して
TACに調査を依頼してください。

参考ドキュメント

FAX/FoIP通信のトラブルシューティング時に収集して頂きたい情報について
FAX/FoIP通信のトラブルシューティング時に必要なログについて

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