弊社のUC用サーバMCSシリーズにはIBM社からOEM供給いただいているI型番の
以下シリーズがあります。
MCS-78XX-I1
MCS-78XX-I2
MCS-78XX-I3
MCS-78XX-I4
Iの後の数字が世代を示しており、さらにその後に続く記号が搭載されているアプリケーション
を示しています。
このサーバでハードウェア障害が発生した場合、ハードウェア診断およびサーバに関する
詳細情報の収集を行う必要がありますが、IBM社製のサーバの場合は、IBMから提供
されているDSA(Dynamic System Analysis)というプログラムを利用することができます。
モデルによってはサーバ起動時にF2キーを押すことにより、サーバ内蔵のDSAを起動することが
可能なものもあります。ただし、内蔵されているDSAは最新版でない場合が多いので、IBM社の
サイトから最新版のDSAツールをダウンロードしてきて、このプログラムを利用することを推奨します。
1.IBM社のサイトから最新版のDSAをダウンロードする。
http://www.ibm.com/systems/ support/supportsite.wss/docdisplay?lndocid=SERV-DSA&brandind=5000008
もしくは
http://www-947.ibm.com/support/entry/portal/docdisplay?brand=5000008&lndocid=SERV-DSA
たくさんの種類がありますが、DSA Prebootのセクション内でvX.XX(Standalone ISO)と表示されている
もののうち最新版のものをダウンロードしてください。2010年10月25日時点ではv3.20が最新です。
バージョンの数字をクリックすると、別ページに移動します。ページ内のファイルのうち拡張子ISOのものを
ダウンロードします。 例:ibm_fw_dsa_3.20_dsyt75x_anyos.iso をダウンロード
他にこのファイルに対するREADMEファイルは~.txt 、変更履歴は ~.chgがダウンロードできます。
また、上記ページ内のOnline helpのセクションにDSAのユーザーマニュアル(英文)がございます。
ftp://ftp.software.ibm.com/systems/support/system_x_pdf/dsa_320_userguide.pdf
なお、他に多数あるファイル(~ Portableや~ Installable, DSA Bootable)は各種OS毎に用意され
OS実行時にテンポラリディレクトリを作成し、その上で実行されるアプリケーション版および特殊なRAID
コントローラを搭載している機種用となります。弊社のCUCMアプライアンス上では3rdパーティソフトウェアの
インストールおよび実行ができませんので、これらのファイルをご利用いただくことはできません。
あくまでもPrebootバージョンをご利用ください。PrebootはOSのブート前に利用するDSAという意味になります。
また、DSAは各機種モデルごとに用意されているわけではなく、サポートされているIBMサーバー System X
シリーズ共通のものとなっております。対象のサーバについて詳しくはユーザマニュアルをご確認ください。
2.ISOファイルをCD-RにCD/DVDライティングソフトを利用して焼きつけてください。
もちろん、OS搭載の機能を利用されても結構です。
CD/DVDライティングソフトにはフリーのものもいくつかあります。(Windows版)
http://www.forest.impress.co.jp/lib/sys/hardcust/cddvdburn/
3.調査するサーバをいったん正しくシャットダウンします。
4.先ほど作成したDSAのディスクをサーバのDVD/CD-ROMドライブに搭載して、DSAディスク
からサーバを起動してください。DSAディスクPreboot Standalone版にはOSイメージが含まれて
いますから、このディスクのみで起動します。
5.DSA起動中、いったん停止しますが10秒たつとまた起動が継続されます。ここでコマンドを
打ち込むことにより、単独でサーバのメモリテスト用ツール起動を行うことができますが、後ほど
GUIでテスト可能なので、そのまま継続してください。
6.Welcome to Tools Center というウェルカムスクリーンがGUIで表示されれば起動完了です。
7.左側メニューから Diagnostic をクリックします。(右側本文内にあるリンクをクリックしても同じです)
8.Diagnosticのメニューに入る前にDSAアプリケーションの使用許諾に合意するように求められます
のでI accept …をクリックして、合意します。
9.GUIメニューを利用するか、CLIメニューを利用するかを選択する画面になります。
Click here to start diagnostic (GUI) をクリックして、GUIメニューを選択します。
10.DSAのウェルカムスクリーンが開きます。左側にはDiagnostic(検査) Collect logs
(サーバ情報の収集)などのメニューが並びます。ここでは、ログを収集するため
Collect logs and transfer をクリックしてください。
11.ログ収集の画面では右側画面にAutomatic(自動)とManual(手動)の選択ができるように
なっています。自動を選んでしまうと、情報をインターネット経由でIBM社に送るだけになりますので
ここではManual(手動)をクリックしてください。
12.ログ収集の前にログ収集オプションを設定しておきます。Advanceボタンをクリックして
Create HTML output (結果をHTMLファイル形式で出力)
Don't create compress ・・・ (結果を圧縮しない)
にチェックを入れておいてください。終わったらOKをクリックしてウィンドウを閉じます。
13.Collect(ログ収集)ボタンをクリックして、実際にログを収集します。ログ収集中は
Progress(進捗)バーが表示され、Collecting DSA logs・・・と表示されています。
14.数分以内にログ収集は自動的に停止しますので、次に収集した結果をサーバから
回収します。
15.市販のUSBメモリを調査するサーバのUSB接続口に接続してください。接続口が
複数あった場合、どちらでも利用可能です。また、保存されるファイルは数メガバイトなので
USBメモリの容量も特に気にしなくても問題ないでしょう。
*なお、USBメモリへファイルを追加するだけなので、USBメモリ内に別のファイルがあっても
問題はありません。
16.Save asボタンをクリックします。Select a Deviceウィンドウが開きますので、Device
リスト内から、先ほど接続したUSBメモリ、Generic USB Flash Diskをハイライト選択して
OKをクリックしてください。ファイルが書き込まれます。
(サーバのテストが必要ない場合は、手順24に進んで、終了してください。)
17.USBメモリ内からファイルを回収し、必要に応じてCiscoTACへ送付してください。
18.次に左側メニューからDiagnostic(検査)を選択します。Diagnosticパネルが開きます。
19.Diagnosticメニューでは最初に検査項目を指定する必要があります。Add Test
(テスト追加)をクリックしてください。
20.テストしたい項目をハイライトしてAdd(追加)およびRemove(削除)ボタンをクリックし、
右側のTest Items側に必要なテスト項目を追加してください。Add Allをクリックすると
全ての項目が追加されます。必要な項目を追加したらOKをクリックします。
21.必要なテスト項目を追加してDiagnosticパネルに戻り、実際にテストを開始します。
Loop(継続回数)をクリックして、テストの繰り返し回数を指定することも可能です。
設定が終わったら、Start Test(テスト開始)をクリックしてください。
22.テストにはそれなりの時間がかかります。(数十分からループ回数によっては数時間)
終了するまでそのままお待ちください。もし、どうしても途中で終了したい場合は
Cancel(キャンセル)ボタンをクリックします。
23.テストが終了すると、テスト結果がテスト項目ごとに表示されていきます。テストして
問題のなかった項目はSuccess(サクセス・成功)として緑色の表示となりますので、
リンクをクリックするとテスト結果の詳細を知ることが可能です。
24.左側のExit(終了)をクリックして、DSAのメニューから抜けます。
25.もう一度左側のExitをクリックして、Tools Center メニューから抜けます。
サーバーがリブートしますので、DVD/CD-ROMドライブからDSAのディスクを抜くと
通常通りHDDからアプリケーションが立ち上がります。
以上、DSAによるIBM社製サーバの診断・ログ収集方法となります。
詳しくはIBM社DSAのマニュアルもご覧ください。
ftp://ftp.software.ibm.com/systems/support/system_x_pdf/dsa_320_userguide.pdf