ISR 4000シリーズ ルータは、従来のISR G2シリーズに比べ、アーキテクチャ、
性能が大きく異なります。
ここでは、音声関連機能としてDSPリソースの共有方法の違いについて説明します。
アーキテクチャ上の大きな違いとして、ISR G2で採用されていたマザーボード上の
TDM BUS(Switch)が、ISR 4000では省略されています。
ISR G2 では、音声インタレースカード(VWIC)上にはDSPモジュール(PVDM3)は搭載されておらず、
マザーボード上のTDM BUSを介して、マザーボード上のDSPモジュールを共有します。
マザーボード上のDSPモジュールは、VWICカードの音声コールの他、IP-based voice service
にも利用されます。

一方、ISR 4000では、TDM BUS が存在しないため、音声インタフェースカード(NIM)間で
DSPモジュール(PVDM4)を共有することはできません。
音声コールには、各音声インタフェースカード上に搭載されたDSPモジュールが使用されます。
音声インターフェースの余剰なDSPリソース、SM-Xカードおよびマザーボード上のDSPモジュールは
IP-based voice serviceの用途に共有されます。


ISR 4000、ISR G2のアーキテクチャの相違を理解して、DSPリソースの設計(購入)を
行って下さい。
また、ISR 4000内の異なる音声インタフェースカード間でコールをルーティングする場合、
TDM BUS が存在しないため、Voiceカードの設定に"no local-bypass"コマンドを追加する
必要がある点にもご注意ください。
参考ドキュメント
Cisco 4000 Series Integrated Services Router Packet Voice Digital Signal Processor Modules (PVDMs) for Cisco Unified Communications Solutions Data Sheet