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Hiroshi Ishiyama
Cisco Employee
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はじめに

電話網でコールする際、発信者にはリングバックトーン(RBT)が聞こえます。
通常、RBTはコールの状態を通知するために交換機で生成されます。
IP Telephony の場合は、RBT は IP Phone やVoice GW で生成される場合もあります。
RBT に関する問題(聞こえない、音のパターンが異なる、等)が発生した場合、
RBT がどこで生成されるかを意識してトラブルシューティングを行う必要があります。
このドキュメントでは、コールのパターンにより、RBT がどこで生成されるかを説明します。

1.内線コールの場合

RBT_IPT1.jpg

内線コールの場合、RBT は 発信側 IP Phoneでローカルに生成されます。
RBT の音のパターンは、IP Phoneのロケールに依存します。

2.コールを転送する場合

RBT_IPT2.jpg

SIP Trunk (ICT)を超えたコールの転送、CUCへの(からの)コールの転送の場合、
RBTの生成にアノシエータ(ANN)が利用されます。

備考:ANNを利用する場合、 CUCMサービスパラメータ[Send H225 User Info Message] を
[Use ANN For Ringback]に設定する必要があります。
また、外線からのコールを転送する場合、CUCMサービスパラメータ [Duplex Streaming Enabled]
を [enable] に設定する必要があります。
IPVMSサービスが起動されていて、MRGL(ANN)がTrunkに関連付けされていることの確認も必要です。

3.外線コール(着信)の場合

RBT_IPT3.jpg

外線からのコール着信の場合、NTT電話網(ISDN網)側で生成されたRBTが
発信側の電話機に聞こえます。
NTTのISDNユーザインタフェースでは、UserからNetwork方向への音声パスは
コール接続前には利用できないため、IP Telephony側(Voice GW側)から
RBTを提供することができないためです。

参考資料:NTT INSネットサービスの技術参考資料の第3分冊レイヤ3回線交換編からの引用

RBT_IPT4.jpg

RBT_IPT5.jpg
上記の表の通り、NTTのISDN網ではUserからNetwork方向への音声パスを開くための
Alerting(呼び出し)メッセージ内の経過識別子、Progress(経過表示)メッセージは
サポートされていません。

4.外線コール(発信)の場合

RBT_IPT6.jpg

外線へのコール発信の場合、NTT電話網(ISDN網)側で生成されたRBTが
発信側のIP Phoneに聞こえます。
NTTのISDNユーザインタフェースでは、NetworkからUser方向への音声パスは
コール接続前から利用できます。通常、ISDN SETUPメッセージに対して、
経過識別子(PI=8)ありのAlertingメッセージが返送されてきます。

NTT ISDN網経由で一部の携帯電話網に発信した場合、Alertingメッセージに替わり、
Progressメッセージが返送されてくる場合がありますが、この場合も
網側からのコールプログレストーンを発信側IP Phoneに伝えることになります。

5.他社 PBX 装置とのインターワーキングの場合

RBT_IPT7.jpg

他社 PBX 装置が RBT を生成できる場合は、 NTT電話網(ISDN網)との接続と同様の動作になります。
ISDN SETUPメッセージに対して、経過識別子ありのAlertingメッセージが返送されてきます。
発信側の IP Phone では、PBX装置で生成されあRBTを聞くことになります。

RBT_IPT8.jpg

他社 PBX 装置が RBT を生成できない場合は、 RBTはIP PhoneまたはVoice GWで生成する
必要があります。他社PBXからは経過識別子なしのAlertingメッセージが返送されてきます。

MGCP(PRI)GWの場合、CUCMサービスパラメータ[Outgoing Media Connect Time for PRI] を
[Connect ASAP]から[CONNECT]に変更するころにより、音声パスが開くタイミングを
遅らせることができます。この設定により、RBTはIP Phone で生成されます。

RBT_IPT9.jpg

H.323(PRI)GWの場合、 Voice GWに[tone ringback alert- no-pi] コマンドを設定すれば
Voice GWにRBTを生成させることができます。

まとめ

RBT に関する問題のトラブルシューティングを行う場合、
本来RBTがどこで生成されるかを意識する必要があります。
RBTの生成源に応じて、ログを収集し調査を実施してください。

参考ドキュメント

NTT 技術参考資料:第3分冊 レイヤ3回線交換編

すべてのVoIPおよびアナログプロトコルのリングバックの詳細分析
In Depth Analysis of Ringback for all VoIP and Analog Protocols

Cisco Collaboration システム 12.x (SRND)Annunciator
Cisco Collaboration System 12.x (SRND) Annunciator

IOSおよびIOS-XE音声ルータでのRTPソース検証
RTP Source Validation in IOS and IOS-XE Voice Routers

 

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