はじめに
本ドキュメントでは、Unified CM (CUCM) のトレースログを Collaboration Solutions Analyzer (CSA) ツールを使って解析する方法を紹介します。
Collaboration Solutions Analyzer (CSA) を使うことによって、CUCM のトレースログから SIP コール、SCCP コール、CTI シグナリングの情報を簡単に確認することができます。また、Annotation 機能によってトレースログのメッセージの説明を確認することができます。
ログの取得
CUCM のトレースログは、以下の方法で取得します。SIP コール、SCCP コールについては、Cisco CallManager トレース (Detailed レベル)、CTI シグナリングは Cisco CTIManager トレース (Detailed レベル) を取得します。
取得したログは、フォルダにまとめて、クラスタ単位で一つの zip ファイルに圧縮する必要があります(zip ファイルに Cisco CallManager トレースや Cisco CTIManager トレースが含まれている必要があります)。zip ファイル内のフォルダ構成は特に意識する必要はありません。
アップロードする zip ファイルを展開した例

ログ解析 (Log analysis)
ログイン
以下の URL にアクセスし(Cisco.com アカウントが必要です)、[Log analysis] をクリックします。
https://cway.cisco.com/csa/
以下の短縮 URL でもアクセスできます。
https://cs.co/csa

ログのアップロード
取得したトレースログ (zip もしくは gz 形式) をドラッグ・アンド・ドロップし、[Upload files] ボタンをクリックします。
アップロードが終了するまでしばらく時間がかかります。

アップロードが成功すると、[Available Files] にアップロードしたファイルが表示されます。[Product Type] が CUCM となっていることを確認し、チェックをつけて [Run Analysis] をクリックして解析を開始します。もしくは右の▷ボタンをクリックします。
Diagnostic Signature
CUCM の場合、ログ解析直後はここには何も表示されません。コールを指定して解析後に何か問題が検出された場合、問題の内容と解決策が表示されます。
System Information
System Information では CUCM の各ノードの設定が表示されます (IP アドレス、ホスト名、ノードID、バージョン)
UCM calls overview
UCM calls overview には、Cisco CallManager トレースの calllogs ファイルに含まれるコールの一覧が表示されます。確認したいコールが calllogs ファイルに含まれていても、SDL ファイルに含まれていない場合は詳細な解析ができません。一番右の [with SDL Only] にチェックして、解析が有効なコールのみ表示します。
一覧には、From DN/URI (発信元番号/URI)、To DN/URI (宛先番号/URI)、CI A (Call Identifier A)、CI B (Call Identifier B)、Call initiated (発信時刻)、Duration (通話時間)、Disconnect reason (切断理由)、Node (呼制御ノード)などが表示されます。Call Identifier は CUCM 内部で管理しているコールの ID です。切断理由は、切断コードの横のアイコンをマウスオーバすると詳細な説明が表示されます。
確認したいコールをクリックすると、そのコールの解析が始まります。

Call detail
コールの解析に成功すると、Call detail にコールの詳細が表示されます。
それぞれのタブの説明は以下のとおりです。
- Call leg Info: コールレッグ毎の情報
- Signaling: SIP などのシグナリング情報
- Ladder Diagram: シーケンス図
- Issue Found: 問題を検出した場合はその内容
- Annotated Logs: トレースログのメッセージの説明

[Download pcap] をクリックすると、pcap 形式でコールを保存できます。
[Download filtered SDL traces] をクリックすると、該当のコールに限定したトレース情報を保存できます。ファイルサイズが小さくなるため、このファイルを再度 CSA にアップロードすることによって、同じコールの解析結果を短い時間で確認することができます。
Call leg Info
Call leg Info には、着信コールレッグと、発信コールレッグのサマリが表示されます。転送などで関連するコールレッグがある場合は合わせて表示されます。右上の [Use for signaling and ladder] のチェックを外すと、Signaling と Ladder Diagram のタブの表示から削除することができるため、シーケンスから不要な表示を外して見やすくすることができます。
Signaling
Signaling タブをクリックすると、SIP などのシグナリング情報が表示されます。
Ladder Diagram
Ladder Diagram をクリックすると SIP などのシグナリングがシーケンス図として表示されます。Signaling タブとほぼ同じ情報ですが、こちらの方が見やすいかもしれません。メッセージをクリックするとシグナリングの詳細メッセージを確認できます。音声やビデオのアイコンをマウスオーバすると、コーデックや受信 IP アドレス・ポート番号などの情報が表示されます。ノードを表す四角い箱は左右に移動することができます。



Issues found
CSA が問題を検出すると、Issues found にその問題の内容と解決策が表示されます。
Annotated logs
Annotated logs タブを開くと、関連する CallManager トレースのメッセージの説明が表示されます。メッセージをクリックすると元になるトレースログが表示されます。

参考情報