はじめに
USB(ユニバーサル・シリアル・バス)は、PCや周辺デバイスの業界標準のインタフェースとして普及しています。弊社のWebカメラ製品(Webex Desk Camera)やヘッドセット(有線モデル)も、USB インタフェースを介してPCと接続して使用します。
USBはPCや周辺デバイスへの給電(充電)の用途でも使用されますが、USB Power Delivery(USB PD)の規格では高出力化が進み、安全性の確保も必要になってきています。
最近の USB-C ケーブル には eMarker という ICチップが内蔵されるようになり、ケーブルの製造者情報や通電容量等の情報が登録され、事故の危険性を低減しています。
本ドキュメントでは、USBテスターを用いて eMarker の登録情報を確認する方法について解説します。
1.USB Testerの操作
USB Testerは、USBケーブルの配線を確認したり、電圧・電流を測定するために使用されます。高機能なUSB Tester の中には、eMarker の登録内容をチェックする機能が付加されています。
ここでは、Fnirsi 社製 FNB58 USB Fast Charge Tester を用いて eMarker 登録内容をチェックする方法を紹介します。
Testerに給電用のMicro USBケーブルを接続して起動させます。Applicaton選択画面でToolBoxを選択します。
ToolBox内の選択画面で、選択画面でUSB-C E-Markerを選択します。
テスターは eMarker を探索する状態になります。下部の被試験用のUSB-C端子にeMarkerを内蔵したケーブルを接続すれば、登録内容を読み取れます。
2.eMarker 登録内容の表示例
USB Testerに eMarker を搭載したケーブルを接続した際の表示例です。
USB PD 100Wのケーブルを接続した場合、Max Vol = 20V、Max Cur = 5A と表示されています。
(20V x 5A = 100W)
USB PD 240Wのケーブルを接続した場合、Max Vol = 50V、Max Cur = 5A と表示されています。
(50V x 5A = 250W)
まとめ
最近のUSBケーブルでは eMarker というICチップ内蔵されるようになり、ケーブルの製造者情報や通電容量等の情報が登録されています。USB給電での事故を低減するためには、信頼できるベンダーのケーブルを使用することが推奨されます。
ケーブルのスペックが不明の場合、USB Testerを利用すれば、eMarker の情報を容易に確認できます。
参考ドキュメント:
USB Power Delivery Specification
USB Power Delivery (USB Developer Days 2019)