はじめに
Webex App 44.6 以降のバージョンにおいて Proxy Auto Configuration (以下、PAC) ファイルの読み込み動作に変更が発生しました。本記事ではどのように動作が変更となったのか等を記載します。本記事は Webex App 44.6 以降での情報に基づいて記載しています。
変更による影響
この変更による影響は以下が想定されます。
- Webex App から会議の主催・参加を試みた際、読み込み中のまま固まってしまう
- 会議参加の際に音声・映像の送受信がうまく行えない
変更の内容
利用端末がプロキシサーバを利用する環境において、Webex Meetings の映像・音声を処理するクラウドサーバに接続する際に行っていた PAC ファイル内の名前解決を行わない動作へと変更となりました。
この動作の変更意図は、44.5 以前に行っていた名前解決動作時に発生する Windows API の呼び出しによるハングアップおよびハングによるクラウドサーバへの接続失敗を回避するものとなります。
この変更による影響を受ける可能性がある利用環境
PAC ファイル内に記載のドメインに対して名前解決を行わなくなるという動作変更により、例として以下の環境に合致する場合に本来接続されるべきプロキシサーバに接続されず、その結果会議参加時の通信が利用環境内で止められてしまう可能性があります。
- PAC ファイル内に *.webex.com のドメインに合致するルールが存在しない
- PAC ファイル内に *.webex.com のドメインに合致せず、最終的に適用されるルールがプロキシサーバを指定していない
- TLS通信がプロキシサーバ経由でのみ許可されている
この問題を回避するための解決策
この仕様変更による発生しうる問題に対応するためには、ご利用環境で適用している PAC ファイル内に Webex のクラウドサーバ向けの通信ルールを明示的に記載することが解決策となります。
具体的には *.webex.com 向けの通信に対してご利用のプロキシサーバを指定するルールを明示して頂くことです。
参考情報
[録画公開] 7/18 開催 Webex TAC Live Day 2 (事例紹介編)
※この事例は Cisco Community Live でも解説しています。39:30からご確認ください。