2022-12-13 05:34 PM
本ドキュメントは、Control Hub の分析 (Analytics) タブにおいて、Webex Calling サービスの [詳細通話履歴レポート (Calling Detailed Call History)] を取得する方法とその内容について、以下のドキュメントを補足する形で紹介します。差分がある場合は以下のドキュメントの方をご参照ください。
本ドキュメントの内容は 2022 年 12 月 13 日時点の情報です。
詳細通話履歴レポート (Calling Detailed Call History) は、Webex Calling サービスにおける過去の通話履歴の詳細情報が記載されたレポートです。CSV 形式で記載されます。
Control Hub の分析タブの Detailed Call History でも過去の通話履歴を取得することができますが、レポートでは、より詳細な内容を、より多くのレコード数で取得できます。ただし、当日の記録は取得できません。出力されるまで 1 日程度かかる場合があります。
詳細通話履歴レポート (Calling Detailed Call History) の取得方法について説明します。
まず、Control Hub (https://admin.webex.com) に管理者権限でログインします。左の [レポート] タブを選択し、[Calling] タブを展開し、テンプレート名から [Calling Detailed Call History] を選択し、右の [▷] マークをクリックします。
[レポートを生成] の画面で、スケジュールを、今すぐ、日単位、週単位、月ごと、の中から選択します。レポート期間では、レポートを取得する期間を選択します。前日以前の期間を選択できます。当日の選択はできません。期間を選択したら [レポートを生成] ボタンをクリックします。
レポートの生成には時間がかかるため、[レポートを生成中です] というポップアップでレポート生成までの予測時間が表示されます。
レポート生成のステータスは、[レポート] > [レポートリスト] から確認できます。ステータスが [Processing] となっている場合は生成中です。生成が完了するとステータスが [Ready for download] と表示されます。
ダウンロードしたいレポートのアクション列にある点が3つ並んでいるアイコンをクリックし、[レポートをダウンロード] を選択します。
[圧縮ファイル] をクリックしてレポートファイルをダウンロードします。
ダウンロードするファイル名は以下のようなフォーマットになります。zip ファイルを展開すると csv 拡張子になります。
<ID>_Webex Calling_Calling Detailed Call History_<Org Name>_YYYY-MM-DD_YYYY-MM-DD.zip
列名 | 説明 |
Start time (開始時刻) |
通話の開始時刻 (UTC) |
Answer time (応答時刻) |
通話に応答した時刻 (UTC) |
Duration (通話の長さ) |
通話の長さ (秒)。呼び出し時間も含む |
Calling number (発信者番号) |
発信者番号 Cisco TAC と Calling number を共有することでコールを特定するのに役立ちます。 |
Called number (着信者番号) |
着信者番号 Cisco TAC と Called number を共有することでコールを特定するのに役立ちます。 |
User (ユーザ) |
このコールを発信したユーザ、もしくはコールが着信したユーザ。このレコードが発信側 (Direction = ORIGINATING) の場合は、発信側のユーザー、レコードが着信側 (Direction = TERMINATING) の場合は、着信側のユーザーを示す |
Calling line ID (発信者 ID) |
発信者のディスプレイ名。着信側 (TERMINATING) のレコードに記載される |
Called line ID (着信者 ID) |
着信者のディスプレイ名。発信側 (ORIGINATING) のレコードに記載される |
Correlation ID (相関 ID) |
ハントグループや転送など、複数の関連するコールを紐づける ID Cisco TAC と Correlation ID を共有することでコールを特定するのに役立ちます。 |
Location (ロケーション) |
Webex Calling ユーザのロケーション |
Inbound trunk (着信トランク) |
インバウンドコールで利用されたトランク |
Outbound trunk (発信トランク) |
アウトバウンドコールで利用されたトランク |
Route group (ルートグループ) |
コールで利用されたルートグループ |
Direction (方向) |
このレコードが、Webex Calling のサーバ側から見て、発信側で生成されたか着信側で生成されたかを示す。Webex Calling ユーザ A が Webex Calling ユーザ B にコールする場合、発信者 A 側の ORIGINATING のレコードと、着信者 B 側の TERMINATING の 2 つのレコードが生成される。
|
Call type (通話タイプ) |
通話の種類
|
Client type (クライアントタイプ) |
|
Client version (クライアントバージョン) |
ユーザ (このレコードを生成) が通話の送受信に使用するクライアントのバージョン 例:42.8.1.2871 (Webex アプリ)、11.3.7 (MPP)、16.9.8 (LGW) |
Sub client type (サブクライアントタイプ) |
|
OS type (OS タイプ) |
アプリが実行中の OS タイプ (付与されない場合もある)
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Device Mac (デバイス MAC) |
デバイスの MAC アドレス (既知の場合) |
Answered (応答) |
コールに応答したかどうか
ハントグループで誰かが応答した通話は、Answered = TRUE, User Type = HuntGroup ボイスメールが応答した通話は、Answered = TRUE、User Type = VoicemailRetrieval |
International Country (国) |
ダイヤルした番号の国。国際通話のみ付与 |
Original reason (元々の理由) |
転送、保留、待機などがある通話に入力 (例)
|
Related reason (関連する理由) |
関連するコールサービス (例)
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Redirect reason (リダイレクト理由) |
転送、保留、待機などがある通話に入力 (例)
|
Site main number (サイトのメイン番号) |
通話したユーザーのサイトのメイン番号 |
Site timezone (サイトのタイムゾーン) |
通話したユーザーのサイトのタイムゾーン 日本の場合は JST+9 のため 540 (= 9 時間 x 60 分) |
User type (ユーザータイプ) |
通話を行ったユーザもしくは機能のタイプ
|
Call ID (コール ID) |
SIP Call ID (Webex 網内) |
User UUID (ユーザー UUID) |
通話に関連づけられたユーザの一意の識別子 |
Org UUID (組織 UUID) |
組織の UUID |
Report ID (レポート ID) |
このレコードの一意の識別子 |
Department ID (部門 ID) |
通話を行った部門の一意の識別子 |
Site UUID (組織 UUID) |
通話を行った組織の一意の識別子 |
Releasing party (切断側) |
切断した側を示します。Webex Calling ユーザー A (Direction: ORIGINATING) が Webex Calling ユーザ B (Direction: TERMINATING) にコールして、ユーザ A が切断した場合、ユーザ A (ORIGINATING) のレコードの Releasing party には Local と記載され、ユーザ B (TERMINATING) のレコードの Releasing party には Remote が記載される。
|
Redirecting number (リダイレクト番号) |
転送元ユーザに紐づいた番号(ハントグループなどの場合はメイン番号) |
Transfer related call ID (転送に関連づけられたID) |
(Webex 網内で管理されている ID) |
Dialed digits (ダイヤル番号) |
ユーザがダイヤルしたキーパッドの数字 |
Authorized code (認可コード) |
認可コードが使われた場合に記載 |
コールシナリオ
Webex Calling に登録しているユーザ A (USER A: 2001) が Webex Calling に登録しているユーザ B (USER B: 2002) にコールします。ユーザ B が応答し、ユーザ A が切断します。
レポート
2 つのレコードが生成されます。1 つは発信側 (ORIGINATING) である USER A のレコード、もう一つは着信側 (TERMINATING) である USER B のレコードです。USER A のレコードの Called line ID には USER B が記載され、USER B のレコードの Calling line ID には USER A が記載されます。Correlation ID でこの 2 つのレコードを紐づけることができます。
コールシナリオ
PSTN から Webex Calling に登録しているユーザ B (USER B: 2002) にコールします。ユーザ B が応答します。
レポート
PSTN 側のレコードは生成されません。着信側 (TERMINATING) であるユーザ B のレコードのみ生成されます。Call Type に SIP_INBOUND などが記載されます。
コールシナリオ
Webex Calling に登録しているユーザ A (USER A: 2001) が Webex Calling にモバイル端末で登録しているユーザ B (USER B: 2002) にコールします。ユーザ B への着信は Push Notification で行われ、ユーザ B が応答します。
レポート
Push Notification で着信した場合、ユーザ B はコールをピックアップするために別のコールとして SIP INVITE を Webex Calling クラウドに送信します。そのため、さらに Push Notification で応答したことを示す別のレコード (Start Time: 応答した時刻、Calling Number: 応答したユーザ、Called Number: # で始まる番号、Related reason: PushNotificationRetrieval)が生成されます。Correlation ID による紐付けはできません。
コールシナリオ
ハントグループ (HG: 2000) にはユーザ B (User B: 2002) と ユーザ C (User C: 2003) が登録されています。Webex Calling に登録しているユーザ (User A: 2001) が、ハントグループ (HG) にコールし、HG のメンバーのユーザ B が応答します。
レポート
ユーザ A と HG の間でレコードが 2 つ (ORIGINATING、TERMINATING) 生成され、HG とユーザ B、ユーザ C の間でもそれぞれ 2 つずつレコードが生成されます。合計 6 つのレコードが生成され、同一の Correlation ID が記載されます。
コールシナリオ
Webex Calling に登録しているユーザ B (USER B) が、事前に別のユーザ (USER C) に着信転送する設定を実施します。Webex Calling に登録しているユーザ A (USER A: 2001) が Webex Calling に登録しているユーザ B (USER B: 2002) にコールし、そのコールは設定によって Webex Calling に登録しているユーザ C (USER C: 2003) に着信転送され、ユーザ C が応答します。
レポート
転送されたコールのレコードが 2 つ追加され (ORIGINATING、TERMINATING)、4 つのレコードが生成されます。Related reason に転送された理由が記載され、Redirecting number に転送元のユーザの番号、Dialed Digit に転送先の番号が記載されます。
コールシナリオ
ユーザ A (USER A: 2001) が ユーザ B (USER B: 2002) にコールし、ユーザ B が応答します。ユーザ B は転送ボタンを押し、ユーザ C (USER C: 2003) に転送します ([今すぐ転送] を選択)。ユーザ B のコールは切断され、コールはユーザ C に転送されます。ユーザ C がコールに応答します。
レポート
発信元であるユーザ A と転送元であるユーザ B のコールで 2 つのレコード (ORIGINATING、TERMINATING) が生成され、転送元であるユーザ B と転送先であるユーザ C のコールのレコードが同様に 2 つ生成されます。Related reason に Deflection が記載されます。
コールシナリオ
ユーザ A (USER A: 2001) がユーザ B (USER B: 2002) にコールし、ユーザ B が応答します。ユーザ B は転送ボタンを押し、ユーザ C (USER C: 2003) に転送します ([最初に音声で通話] を選択)。ユーザ B からユーザ C にコールが発信され、ユーザ C がコールに応答します。ユーザ B が転送完了ボタンを押し、ユーザ B のコールが切断され、ユーザ A とユーザ C のコールが確立されます。
レポート
発信元であるユーザ A と転送元であるユーザ B のコールで 2 つのレコード (ORIGINATING、TERMINATING) が生成され、転送元であるユーザ B と転送先であるユーザ C のコールのレコードが同様に 2 つ生成されます。Related reason に ConsultativeTransfer が記載されます。
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