2023 年 1 月 26 日 (初版)
| TAC SR Collection |
| 主な問題 |
オンプレミス端末から Webex Meetings の IP アドレス(210.4.202.4 など)宛に発信したコールが接続完了から一定時間経過後に切断される事象が報告されています。
下記構成のように Cisco Expressway(Expressway) または Cisco TelePresence Video Communication Server(VCS) で端末からの SIP コールを H.323 にインターワーキングした場合に発生します。
オンプレミス端末 -(SIP)-> Expressway-C -(SIP)-> Expressway-E -(H.323)-> Webex Meetings
＊Expressway と VCS は本記事に記載の動作に差異はありません。
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| 原因 |
下記ドキュメントに記載のとおり、Expressway は IP アドレス宛の SIP コールを UDP として扱います。
Cisco Expressway Administrator Guide (X14.2) - Dial Plan and Call Processing > Dialing by IP Address
The SIP IP dialing is always treated as UDP and the expected behavior on Expressway.
Webex Meetings は下記ドキュメントに記載のとおり、UDP での SIP 接続に対応していません。
上記の動作・要件により、Expressway から Webex Meetings の IP アドレス宛へのコールは常に H.323 で接続されます。
Expressway は原則的に、端末・Webex Meetings 等のコールの発信元・接続先からのシグナリングを中継する機器ですので、H.323 コールのキープアライブ(死活監視)のための H.323 シグナリング (H.225 や H.245) を自発的に送出する動作は行いません。Webex Meetings も H.323 コールのキープアライブのための H.323 シグナリングを自発的に送出しません。
本ドキュメントの接続例では、端末は SIP コールのキープアライブ動作を行い、端末・Expressway 間の SIP コールは切断されずに維持されますが、Expressway および Webex Meetings は H.323 コールのキープアライブのためのシグナリングの送信を行いません。そのため、Expressway-E は Webex Meetings との H.323 コールを一定時間経過後にタイムアウトと検知して切断し、コール終了のために端末側の SIP コールも切断します。
SIP コールが Expressway によって切断されるため、端末側は接続相手つまり Webex Meetings 側がコールを切断したことが記録されますが、上記のとおりコールの終了は Expressway によって行われます。
H.323・SIP コールのキープアライブについては下記ドキュメントが参考となります。
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| 解決策 |
オンプレミス側から Webex Meetings の IP アドレス宛に発信する必要がある場合には、端末からの発信を SIP ではなく H.323 とすることで端末が H.323 キープアライブのための H.245 roundTripDelayRequest を送信し、Expressway がこれを Webex Meetings 側に中継するため、ネットワークで H.245 の接続性が保たれている限りコールのタイムアウトは発生しません。
オンプレミス端末から Webex Meetings 宛に SIP 発信する必要がある場合には宛先を下記のように SIP URI 形式宛としてください。端末・Expressway・Webex Meetings の間の SIP コールがそれぞれキープアライブされますので、ネットワーク側で SIP の接続性が保たれている限りコールのタイムアウトは発生しません。
- 「ミーティングID」@webex.com
- 「ミーティングID」@「Webex サイト名」.webex.com
- meet@webex.com
参考)
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備考
Video Platform (旧称 CMR Cloud) のトラブルシューティングについては、Webex Video Platform(旧称CMR Cloud) のトラブルシューティング から確認できます。
