PGW での IMS DNS Cache の保持期間は、 DNS サーバからの TTL 値に基づき PGW 内で決定されていますが、設定条件が判りにくい部分がありましたので、動作についてまとめました。
確認バージョン: staros 21.22.8
DNS からの TTL に含まれる秒数に応じて、以下の方法で下限・上限の設定ができます。
TTL に含まれる秒数 |
下限値の設定方法 |
上限値の設定方法 |
60 秒以下 |
cache honor-low-ttl |
なし |
60〜86400 秒 |
cache ttl negative |
cache ttl positive |
86400 秒以上 |
なし |
なし。no cache ttl positive を指定することで、TTL 値をそのまま適用 |
設定コマンドの詳細
- cache ttl negative/positive
TTL の値が、negative (最小値) とpositive (最大値) の範囲内であればそのままの値を DNS Cache 時間として使用します。negative 以下の TTL が来た場合は negative、positive 以上の TTL が来た場合は positive を Cache 時間として使用します。60 秒 - 86400 秒の範囲で設定可能です。
設定例)
configure
context XXX
dns-client YYY
cache ttl negative 60 (default値)
cache ttl positive 86400 (default値)
DNS Cache の最低保持時間を 60 秒以下に設定する場合は、cache honor-low-ttl を使用します。
処理数が増大する可能性があるため、秒間の処理数の上限が設けられています。
設定例)
configure
context XXX
dns-client YYY
cache honor-low-ttl 1 fqdns-per-sec 500
honor-low-ttl の値(設定例では 1 秒)が最小値として使用されます。設定された数(例では500回/秒)を超える処理が発生した場合は、超過分については cache ttl negative の default 値である60 秒がセットされます。
参考資料:
Release Change Reference, StarOS Release 21.25
Chapter: DNS Client KPI Enhancement