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Kento Yamada
Cisco Employee
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はじめに

本ドキュメントでは、XR7 における SMU の deactivate について紹介します。
XR7 の install 全般や SMU の install については下記ドキュメントもご参照ください。

XR7: インストール概要

なお、XR7 においては Bugfix と表現されますが、本ドキュメントでは従来の慣例に従い SMU という用語を使用しています。

 

XR7 SMU deactivate 方法

XR7 において特定の SMU を deactivate する方法としては以下の 3 つが存在します。

  • Method 1: install package rollback 
  • Method 2: Base ISO + package add
  • Method 3: install package downgrade

 

Method 1: install package rollback

XR7: インストール概要に記載されている通り、SMU(Bugfix) 適用の取り消しとして最も簡単なのが install package rollback を使用する方法です。具体的な手順については上記ドキュメントをご参照ください。
なお、install rollback は以下の NCS540 シリーズルータではサポートされていません。

  • N540-28Z4C-SYS-A/D
  • N540X-16Z4G8Q2C-A/D
  • N540-12Z20G-SYS-A/D
  • N540X-12Z16G-SYS-A/D
  • N540X-6Z18G-SYS-A/D

これらのルータ上で install package rollback を実行した場合には、非サポートである旨が表示され実行に失敗します。

RP/0/RP0/CPU0:N540X-6Z18G-SYS-D#install package rollback 1
Wed Apr 26 10:06:41.133 JST
Failed to start rollback: 'Install' detected the 'fatal' condition 'Rollback is not supported on this platform due to disk size constraints.'

 

 

そのため、特定の NCS540 シリーズルータにおいては Method 2 または 3 を使用する必要があります。


Method 2: Base ISO + package add

Base ISO を install package replace し、deactivate したい SMU 以外の 全ての SMU を install package add する方法です。
厳密には特定の SMU を deactivate しておらず、不要な SMU 以外を再度インストールし直す、といった方法になります。
これらのコマンドの使用方法については以下のドキュメントを参照して下さい。
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/iosxr/ncs5xx/system-setup/70x/b-system-setup-cg-70x-ncs540/b-system-setup-cg-70x-ncs540_chapter_01001.html

検証環境などで頻繁に SMU の適用/削除を行うような場合には、GISO を作成しておくことが推奨されます。
GISO の作成方法は以下を参照して下さい。
NCS5500: Golden ISO (GISO) とその作成方法

 

Method 3: install package downgrade

install package downgrade コマンドは、指定した package を downgrade するコマンドです。
repository 内に存在する、現在のバージョンを除く最も新しいバージョンの package に downgrade します。
repository が設定されていない場合、実際には何もアクションは行われませんが、completed without error と出力され install action が適切に完了したかのように表示されます。詳細を確認するためには show install history を確認してください。repository が設定されていない状態で install package downgrade を実施すると、以下のような表示となります。

 

Packaging operation 2.1.1

Location 0/RP0/CPU0
  Warning - No action taken on the following packages:
    xr-cpa-driver-fpgalib-access: no suitable version found

 

XR7 における SMU は複数の rpm パッケージを含みますので、依存関係を適切に把握しなくてはなりません。この点がこの手順を複雑なものにしています。
最も簡単な方法は、削除したい SMU を適用する前後の show install active summary の出力の差分を確認し、
どの package がその SMU によって upgrade されたのかを確認することです。

以下 install package downgrade コマンドによる SMU の deactivate 方法の例を記載します。
ここでは、CSCwb76858 および CSCwb97762 の SMU が適用された NCS540 から、CSCwb97762 の SMU のみを deactivate します。

1. Downgrade 対象の Package の確認
CSCwb76858 のみを install した際の show install active summary と、CSCwb76858 および CSCwb97762 を install した状態の show install active summary を比較し、差分のある Package を確認します。確認すると以下の Package に差分があり、これらを Downgrade することとなります。

  • xr-cpa-driver-fpgalib-access
  • xr-cpa-driver-fpgalib-misc
  • xr-cpa-driver-optics
  • xr-cpa-ethsw
  • xr-ncs540l-core
  • xr-ncs540l-cpa

2. Repository の設定
Repository を設定します。Repository の設定は XR7: インストール概要 を参照して下さい。

 

3. downgrade 対象となる RPM package を repository に配置する
Repository に downgrade 後の version の RPM package を保存します。
今回の downgrade 対象の RPM package は CSCwb76858 の SMU に含まれているので、ncs540l-aarch64-7.5.2.CSCwb76858.tar を解凍し、必要な RPM package を repository に保存します。

4. Repository 上の package の確認
show install available もしくは show install fixes available コマンドで Downgrade 対象の Package が NCS540 から認識できていることを確認します。異なる version の同一 Package が repository に存在する場合には新しいものが選択されてしまうため、Downgrade 対象の version の Package が配置されているかを改めて確認しましょう。

5. install package downgrade の実行
以下の形式で install package downgrade を実行します。

 

install package downgrade xr-cpa-driver-fpgalib-access xr-cpa-driver-fpgalib-misc xr-cpa-driver-optics xr-cpa-ethsw xr-ncs540l-core xr-ncs540l-cpa

 

 

6. 実行状況の確認
show install request コマンドで、install operation の実行状況を確認できます。
State が Success since... となっていれば正常に完了しています。

7. install apply reload の実行
install apply reload を実行し、downgrade に関するアクションを適用します。
reload SMU でない場合には install apply で問題ありません。

8. 再起動後、show install active summary の確認
show install active summary を実行し、CSCwb97762 が削除され CSCwb76858 のみが適用された状態であることを確認します。

9. install commit の実行
install commit コマンドで作業内容を commit します。

 

まとめ

上記のように、一部の NCS540 シリーズルータにおいては特定の SMU のみを削除する作業が複雑になってしまう場合があり、install する SMU の数が増えるほど複雑性は増します。
そのため、検証環境などで頻繁に version や SMU の入れ替えが発生するような場合には、GISO の使用が推奨されます。

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