目次
はじめに
本ドキュメントは、スタンドアローン モードのUCS サーバ用の UCS サーバプロファイルについて説明しています。
基本情報
UCS サーバプロファイル
Intersight で設定できる UCS サーバプロファイルとは、UCS サーバの設計書のようなものです。UCS の設定が定義された複数のポリシーで構成されていて、サーバプロファイルを UCS に適用すると、ポリシーで定義されている設定がサーバに反映されます。

UCS サーバプロファイルのメリット
サーバプロファイルには、以下のような便利な使い方があります。
- サーバプロファイルをクローン(複製)して他のサーバに適用することにより、容易に同じ設定のサーバをセットアップできます。
- サーバプロファイルが共通のポリシーを使用している場合、そのポリシーを変更するだけで一度に複数サーバの設定を変更できます。
- マザーボードの交換等によりCIMCの設定の復旧が必要になった場合も、同じサーバプロファイルを再適用することにより、設定を復旧できます。

使用要件
Essentials ライセンスが必要です。
Intersight のライセンスについては、こちらのドキュメントもご参照ください。
サポートしているサーバは、UCS C シリーズになります。スタンドアローンモードでも、UCS S シリーズではサポートされていません(2023年4月時点)。
設定手順
- UCS サーバプロファイル メニュー(Infrastructure Service > 設定 > プロファイル > UCS サーバプロファイル)へ移動して、UCS サーバプロファイルの作成 を実行します。

- 全般 では以下の設定を行って、Next で次のステップに進みます。
- プロファイルの名前
- ターゲットプラットフォーム(プロファイルを適用する対象)
今回のターゲットは、"UCSサーバ(スタンドアロン)"になります。

- サーバの割り当て では、プロファイルを適用する対象サーバを選択します。
後で割り当てる を選択して、後からプロファイルにサーバを割り当てることも可能です。

- 以下の各ステップでは、プロファイルに割り当てるポリシーを設定・選択していきます。
- コンピューティングの設定
- 管理の設定
- ストレージの設定
- ネットワークの設定
ポリシーは、全て設定・選択する必要はありません。必要なものだけを設定・選択してください。
以降は、例として NTP ポリシーを設定して、割り当てる手順を紹介します。
4-1. 設定したいポリシーの右端にあるアイコンをクリックして、ポリシー選択画面を表示し、新規作成 をクリックします。
既存のポリシーがあれば、それを選択することも可能です。

4-2. NTPポリシー作成画面になるので、まずは 全般 でポリシー名を設定して、次に進みます。

4-3. 設定したい項目に入力後、作成 を実行します。

4-4. 自動的にプロファイル設定画面に戻り、作成・選択したポリシーが表示されるので、Next で先に進みます。

- 最後にサマリーが表示されます。これで、プロファイルの作成は完了です。Deploy 実行で再確認のウィンドウが現れ、再度 Deploy でサーバの設定が開始されます。

一旦 close をクリックして、あとからデプロイを実行することも可能です。close しても、作成したプロファイルが消えることはありません。
- デプロイの進捗状況は、プロファイルの ステータス や、リクエスト の Deploy Server Profile から確認します。


プロファイルの操作
プロファイルを再デプロイしたり、割り当てを解除するのは、プロファイル メニュー(Infrastructure Service > 設定 > プロファイル > UCS サーバプロファイル > "・・・" マーク)で行います。サーバ側からは行えません。
- 展開
プロファイルで設定されているサーバに対して、プロファイルをデプロイします。プロファイルの設定でサーバが割り当てられていない場合は、グレーアウトして実行できません。
ポリシーなどの設定を変更した際には、サーバへ変更を反映させるために、このメニューで再度デプロイする必要があります。
- サーバの割り当て解除
サーバからプロファイルの割り当てが解除されます。解除しても設定が初期化されることはありません。
- 複製
プロファイルのコピーを作成します。
- 編集
プロファイルを編集します。
- テンプレートへの接続
UCSサーバプロファイル テンプレートのポリシー設定を適用します(テンプレートについては後述)。
- テンプレートの作成
プロファイルからテンプレートを作成します。
展開 と サーバの割り当て解除 は、複数のプロファイルに同時に行うことが可能です。
操作したいプロファイルにチェックを入れて、左下のメニューから操作を選択します。

ポリシー
ポリシーではサーバの設定を定義しています。
作成されたポリシーは、ポリシーメニューで確認・編集が可能です。

プロファイル・ポリシーの変更
使用中のプロファイルやポリシーを変更しても、即座にその変更がサーバに反映されるわけではありません。
変更の影響を受けるプロファイルは Not Deployed Changes というステータスになるので、それらのプロファイルを再デプロイ(再度、展開 を実行)する必要があります。
以下は、2つのプロファイルに共通のポリシーを変更した時の操作例です。
使用されているポリシーを変更しようとしているので、変更の反映には再デプロイが必要になる、という情報が表示されます。

変更すると、関係するプロファイルのステータスが Not Deployed Changes に変わります。
それらプロファイルにチェックを入れて、左下のメニューから 展開 を実施します。再確認されるので、そのまま Deploy を実行します。

デプロイが完了すると、ステータスが OK に変わり、実際のサーバにも変更が適用されています。

プロファイルのステータス
プロファイルの ステータス には、以下のような状態が表示されます。
- OK
サーバプロファイルがサーバに正常にデプロイされている状態。
- Failed
サーバプロファイルのデプロイに失敗している状態。
- Not Assigned
サーバプロファイルがサーバに割り当てられていない状態。
- Not Complete
必須の設定がされていないため、プロファイルとして完成していない状態。
- Not Deployed
サーバプロファイルはサーバに割り当てられているが、デプロイはまだされていない状態。
- Out of Sync
実際のサーバの設定とプロファイルの設定が一致していない状態。
Intersight は30分毎に、サーバの設定とプロファイルでデプロイした設定とを比較しています。

サーバプロファイルから、どの設定が不一致なのかを確認可能です。

- Not Deployed Changes
プロファイル(ポリシー)の設定が変更されたが、その変更がサーバに適用されていない(デプロイされていない)状態。

サーバプロファイルから、設定変更箇所を確認可能です。

便利な機能
サーバプロファイル テンプレート
複数のポリシーをまとめて、1つのテンプレートにしておくことが可能です。
以下、テンプレートの機能の概要です。
- テンプレートをプロファイルに割り当てると、テンプレートのポリシー設定がプロファイルに上書きされます。
- 例1. プロファイルでNTPポリシーA、テンプレートでNTPポリシーBを設定していた場合、テンプレートをプロファイルに割り当てると、NTPポリシーBが設定されます。
- 例2. プロファイルでNTPポリシー、テンプレートでSNMPポリシーを設定していた場合、テンプレートをプロファイルに割り当てると、SNMPポリシーのみになります。もともとプロファイルで設定されていたNTPポリシーは削除されます。
- テンプレート割り当て中は、プロファイルからポリシーの設定は行えなくなります。
テンプレートのポリシー設定を変更します。
- テンプレートの割り当てを解除しても、プロファイルのポリシー設定は変わりません。
テンプレートを使用していた時のポリシー設定はそのままプロファイルに残り、以降のポリシー設定はプロファイルから行います。
テンプレートの設定方法は、プロファイルの設定方法とほぼ同じです。
テンプレート メニューから UCS サーバプロファイル テンプレートの作成 をクリックして、ポリシーの設定を行っていきます。

また、テンプレートからサーバプロファイルを作成することも可能です。
テンプレート メニューの プロファイルの取得 を実行すると、テンプレートの設定を基にプロファイルを作成してくれます。

サーバの割り当てで、後で割り当てる を選択すると、複数のプロファイルをまとめて作成することが可能です。

サーバプロファイルのインポート
Intersight に登録済みのサーバについて、設定をインポートしてUCS サーバプロファイルを作成することが可能です。手動で各ポリシーを設定していく、というような作業なしに容易にプロファイルを作成できます。
この機能を利用してベースラインとなるプロファイルを作成し、クローンして他のサーバにデプロイする、というような使い方も可能です。
注意点として、パスワードはインポートされません。パスワードを設定するポリシーについては、後から手動で設定を行います。
インポートは、サーバ メニュー(Infrastructure Service > 運用 > サーバ > "・・・" マーク)から行います。

サーバプロファイル を選択すると、インポートメニューがポップアップします。プロファイル名 と ポリシープレフィックス(自動作成されるポリシーの名前の先頭に付ける名前)を設定して インポート を実行します。

経過・結果については、リクエストから確認可能です。

パスワード等の必須設定項目がインポート(設定)されていない場合、作成されたプロファイルのステータスは Not Complete になり、そのままではデプロイはできません。

プロファイルの内容を確認すると、不完全なポリシーを確認できます。ここから ポリシーの編集 で設定されていない必須設定(今回の場合はパスワード)を設定することにより、デプロイ可能なプロファイルとなります。

パスワード以外にも、インポートされない設定があります。詳しくは、以下の Intersight ドキュメントで "Attention" の部分をご確認ください。
Importing a Server Profile
以上
参照ドキュメント: