はじめに
本投稿はNexus Dashboard をVMware ESXi上に仮想版vNDとして展開する方法をご紹介するシリーズの第3回になります。
第1回 Nexus Dashboard (VMware vND)のセットアップ手順 -1.事前準備
第2回 Nexus Dashboard (VMware vND)のセットアップ手順 -2.vNDの展開
第3回 Nexus Dashboard (VMware vND)のセットアップ手順 -3.vNDの初期設定
第4回 Nexus Dashboard (VMware vND)のセットアップ手順 -4.NDIのインストールおよび設定
前提
対象vSphereバージョン:ESXi 7.0.3
対象Nexus Dashboardバージョン:2.2.1
管理Site APICバージョン:4.2.7
ND2.1.1を前提にした記事はこちらにありますので、こちらも併せて確認ください。
3.vNDの初期設定
vNDの展開が完了したらvNDの初期設定を行います。
最初に、6つのvNDインスタンスのうち、1台のData NodeにHTTPSでログインし、初期設定を行います。
なお、接続先アドレスは、ステップ2でvNDをDeployした際に設定したアドレスとなります。
3.1. vND クラスタの形成
vNDをクラスタとして形成する必要があります。まずは3台のData NodeをMaster Nodeとしたクラスタを形成します。
(1) 管理アドレス(この例では、192.168.11.10)にHTTPSでアクセスし、Deploy時に設定した管理パスワードで、[Begin Setup]をクリックします。
(2) Cluster Detail画面で、必要な情報を入力し、[Next]をクリックします。
- Cluster Name: 任意の値
- NTP IP Address: NTPサーバーのアドレスを指定
- DNS Provider IP Address: DNSサーバーのアドレスを指定
- Proxy Server: Intersightと通信する場合にProxyを利用する場合はProxy Serverの設定を行う
(3) Node Details画面で、[Add Node]をクリックします。
(4) 1台目のNode情報を入力し、[Update]をクリックします。
- Name: ノード名。任意の値
- Management Network: Deploy時に設定した管理アドレス等が自動的に反映される
- Data Network: ACI Fabricとの通信に使用するネットワーク。Management Networkとは別のセグメントにする
(5) 1台目のNodeが出しく登録されたのを確認して、残り2台のData Nodeを登録します。
なお、3台すべてのNodeを登録しなくても初期設定を進められますが、正しくClusterを構成するには、ここで3台ともData Nodeを登録する必要があります。
[Add Node]を押した後(4)のAdd Node画面が表示されるので、同様の作業を2台目、3台目と継続します。
(6) 3台のData Nodeが登録されたら、[Next]をクリックします。
なお、App Nodeはこのタイミングでの登録は必須ではないので、今回はスキップし、後ほど登録を行います。
(7) Confirm画面で、Nodeの情報が正しいことを確認して、[Configure]をクリックします。
(8) その後Nexus Dashboardの初期設定が走ります。
該当作業は、環境にもよりますが、数十分ほどかかる場合もあるので、しばらくお待ちください。
正しく初期設定が完了すれば、Clusterの構成は完了となります。
3.2. Siteの追加
vNDをクラスタとして形成した後に、初期設定のウィザードから、続いてSiteを追加します。
今回はACI環境をSiteとして登録する手順を紹介します。
(1) Let's Configure the BasicsからAdd Siteの[Begin]をクリックします。
(2) 次に[Add Site]をクリックします。
(3) Add Site画面で、以下の設定を実施します。
- Site Type: ACIを選択
- General - Names:Siteの名前を指定
- Settings
- Hostname/ Address: APICのアドレスを指定(通常はOOBアドレス)
- Username: APICの管理者名
- Password: APICの管理者パスワード
- Login Domain: Login Domainが複数存在する場合は指定
- in-Band EPG : NDIを有効にし、Telemetryを取得する場合は必須
(4) Siteの場所をピン止めします。
(5) Siteの登録が正しく完了したことを確認し、Siteの登録は完了です。
今回は1つのSiteのみを登録しましたが、複数のSiteがある場合は、該当作業を繰り返します。
3.3. Network Scaleの設定
Siteを追加したら、続いてNetwork Scaleの設定を行います。
仮想アプライアンスのキャパシティを超えた設定は行えませんので、こちらのガイドを参考に上限の値を確認ください。
Cisco Nexus Dashboard Capacity Planning
(1) Let's Configure the BasicsからNetwork Scaleの[Begin]をクリックします。
(2) Network Scale設定で、以下の設定を行います。
- Number of Sites: サイト数を記載
- Number of Switches : スイッチ数を記載
- Flows per Seconds: 1秒当たりのFlow
すべての項目を入力し、[Save & Configure]をクリックします。
(3) Warningが表示されますが、そのままConfirmを選択します。
(4) 上記の手順が終われば、すべての初期設定が完了なので、[Done]をクリックします。
(5) [Go To Dashboard]をクリックし、Dashboardに移動します。
3.4. App Nodeのクラスタ登録
物理アプライアンスの場合は、以上の作業で初期設定は完了となります。
今回は仮想アプライアンスを利用しており、3.1でApp Nodeの登録をスキップしているので、App NodeをWorker Nodeとしてクラスタに組み込む必要があります。
この手順を以下に示します。
(1) 左メニューペインから[Admin Console]をクリックします。
(2) [System Resources] - [Nodes]をクリックし、画面中央右側の[Add Node]ボタンをクリックします。
(3) Add Node画面において、App Node1号機の情報を入力します。
- Management IP Address: App Nodeの管理アドレス
- Password: VM Deploy時に設定したパスワード
入力が完了したら、[Validate] をクリックします。
(4) アドレス、パスワードが正しい場合、Serial番号が表示されるので、以下の情報を入力して、[Save]をクリックします。
- Name: ノード名。任意の値
- Type: App Nodeの場合、3台ともWorkerにする
- Management Network: Deploy時に設定した管理アドレス等が自動的に反映される
- Data Network: ACI Fabricとの通信に使用するネットワーク。Management Networkとは別のセグメントにする
(5) (2)~(4)の手順を繰り返し、App Node 1~3の3台をNodeとして登録を行い、Statusが[Active]となっていることを確認し、初期設定は完了となります。
まとめ
このようにVMとしてDeployされたvNDをウィザードにより、6台のNexus Dashboard Cluserとして初期設定します。
また、Siteの登録や、Network Scaleの登録もおこないます。
次回はNDIのインストール方法をご紹介します。
Cisco Customer SuccessではCisco Communityを通じて様々なベストプラクティス情報の提供を進めています。
こちらを、設計検討、運用検討の際にご活用ください。