本文書では、UCS C-Series M5 サーバのマザーボード交換手順について説明します。
[作業前確認]
【パーツ手配時の注意点】
TPM(Trusted Platform Module)を搭載しているサーバを交換する場合、TPMは交換後に載せ替えが出来ないため、筐体(マザーボード)交換の度に手配する必要があります。
手配する必要があるか否かを判断するため、technical support data からTPMの有無を確認します。
\tmpの配下、tech_supportのQuerying All IPMI Sensors, 及びtech_support.frupids にてTPM(FM_TPM_CARD_PRS)の存在有無を確認します。
<例:C220 M5/C240 M5>
Querying All IPMI Sensors:
FM_TPM_CARD_PRS | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
VRD_P1_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
P1_PVDDQ_VRHO T | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
VRD_P2_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
0x0180(搭載されていない)
tech_support.frupids
FRU Device Description : FRU_TPM (ID 3)
Device not present (Requested sensor, data, or record not found)
Querying All IPMI Sensors:
FM_TPM_CARD_PRS| disc -> | discrete | 0x0280 | na | na | na | na | na | na |
VRD_P1_VRHOT |disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
P1_PVDDQ_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
VRD_P2_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
P2_PVDDQ_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
0x0280(搭載されている)
tech_support.frupids
FRU Device Description : FRU_TPM (ID 3)
Board Mfg : Cisco Systems Inc
Board Product : UCSX-TPM2-002
Board Serial : FCH22267KAY
TPMの有効化(Enablement)はBIOSメニューから実施します。
以下の記事をご参照ください。
UCS Cシリーズ - TPMの設定方法
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12110086
- FE作業
1.CIMCの[シャーシ]タブで[障害とログ]メニューを選択し、右画面の[障害の概要]を確認して、発生しているFaultを確認します。こちらのFaultについては後ほど確認するため、念のためメモしておいて下さい。

2.[シャーシ] メニュー配下の[概要]を選択し、右画面で対象のサーバのBIOSバージョンとFirmwareバージョンを確認します。

[作業手順]
- お客様作業 (FE 作業前)
1.OS のシャットダウンおよび電源の停止。
2.CIMC の設定を必要に応じて下記ページご参照の上バックアップを取得。
- CIMCの設定のバックアップとリストア方法
https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3166535
3.CIMC の画面から、[Admin/管理者] タブ配下にある [Network/ネットワーキング] から以下の情報を控えていただき、作業員にお伝えください。
<設定項目>
NIC mode:
CIMC IP:
Prefix/Subnet:
Gateway:
NIC redundancy:
Port Properties:
</>


- FE 作業
1.ケーブルが元の状態に戻せるように、ラベリング処理をします。
2.機器の電源が off であることを確認し、サーバの後方にある電源コードを外します。

3. ネットワークケーブルなど、他のケーブルを全て外します。

4.ラックの前方から機器の両側にあるネジを外し、機器をラックから外します。

5.機器の後方にあるつまみネジを外し、天板の左右にあるリリースボタンを押しながら、前方から後方に天板をスライドさせます。

6.スライドされた天板を上方に持ち上げ、外します。

7. 対象の機器から、装着されてある下記の FRU を外します。
7.1. Power Supply
7.2. HDD/SSD
7.3. RAID Controller BBU / SuperCap
7.4. Memory DIMM
7.5. Mezzanine Card
7.6. Flexible Flash Card
7.7. PCIe Riser Card
7.8. SCU Upgrade ROM Module / Software RAID Key Module
7.9. Heatsink / CPU (*1)
7.10 USB Flash memory

*1) CPU 及びヒートシンクを取り外した後、付着したサーマルグリースはグリースリムーバーを使用して入念に拭き取って下さい。交換用ブレードに装着する際、CPUのピンにグリースが付着していないことを確認して下さい。ピンにグリースが付着していると、CPUが認識されず、サーバが起動出来ない原因となります。詳しい情報は下記弊社資料をご参照ください。
- UCS CPU サーマルグリースの除去と塗布
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12327486
8.備品機器の天板を外し、[7.] にて外した FRU を装着します。TPMの装着が必要な場合は、新しいTPMを装着します。
9.備品機器に天板を戻します。
10.FRU 装着完了の備品機器をラックにラッキングします。
11.電源コード以外のケーブルをラベリング通りに戻します。
12.電源コードを Power Supply にしっかり装着します。
13.電源ボタンを押し、機器を起動します。
14.BIOS 画面に入り、サーバの時間をUTC(日本時間 - 9時間)で設定します。
時間の設定方法については、下記の弊社資料をご参照ください。
- [UCS] UCS C-Series サーバのBIOS 設定方法について
https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3143814
TPMを装着した場合は、ここで設定します。
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12110086
15.CIMC の設定画面にて、お客様から下記の情報をいただき、それぞれの項目を設定します。
<設定項目>
NIC mode:
CIMC IP:
Prefix/Subnet:
Gateway:
NIC redundancy:
Port Properties:
</>
CIMC の初期設定については、下記の弊社資料をご参照ください。
- [UCS] UCS C-Series サーバのCIMC初期設定方法について
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12397276
16.CIMC へのアクセスが可能であることを確認します。
17.CIMC の画面にて、ハードウェアの異常が無いことを確認します。
18.下記のページを参照の上、CIMC および BIOS のバージョン合わせを実施します。
- Host Upgrade Utilityを使用したFirmwareのアップグレード
-- CIMC 3.X→4.X https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3730478
[交換後の確認手順]
- FE作業
1.CIMCのGUIにアクセスし、[シャーシ] メニュー配下の[概要]を選択し、交換したサーバが正常に認識されているか、
BIOSバージョンとFirmwareバージョンが元通りであることを確認します。

2.CIMCの[シャーシ]タブで[障害とログ]メニューを選択し、右画面の[障害の概要]を確認して、新しくFaultが発生していないことを確認します。

- お客様作業 (FE 作業後)
1.CIMC の設定を必要に応じて下記ページご参照の上バックアップからリストアします。
- CIMCの設定のバックアップとリストア方法
https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3166535
2. OS が正常に起動することを確認します。なお、マザーボードを交換後、 オンボード NIC の MAC address が変わるため、ご利用の OS によってネットワークインターフェイスの再設定を行う必要がございます。詳しい設定手順は各 OS ベンダーが提供している文書をご参照ください。
[参考資料]
「UCS C-Series サーバのマザーボード交換手順」
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12402596「Cisco UCS C220 M5 Server Installation and Service Guid」
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/unified_computing/ucs/c/hw/C220M5/install/C220M5.html