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Hiroshi Ishiyama
Cisco Employee
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はじめに

  

ビデオ会議システムでは映像の品質が重視されますが、音声品質が確保されなければ
円滑に会議をすすめることができません。
一般に、音声品質は、コーデックの種別、音量、エコー、伝送品質(パケットロス、
遅延、ジッタ)等に依存します。
ビデオ会議では、さらに会議室の音響環境についても考慮する必要があります。
本ドキュメントでは、残響による音声品質の劣化を改善する方法について
解説します。

 
1.残響の影響について

 

  話者の音声は、会議室の天井、壁、窓、床等で反射されます。
  音の吸収率は素材に依存し、コンクリート、窓ガラス、フローリング等では小さく
  音声は徐々に減衰しながら反射が繰り返し行われます。
  反射された音声は、直接マイクに届く音声より遅延するため、ビデオ会議の
  相手先には音声が響いて聞こえます。
  これが、残響(Reverberation)と呼ばれる現象で、ビデオ会議の音声品質に
  大きく影響します。
  音楽を聴く場合は適度の残響があったほうが心地よいですが、ビデオ会議の
  場合、残響が長い(大きい)と音声が明瞭に聞こえにくくなります。

 

Z1.png

 
2.残響に対する対策

 

  天井、壁、床の音の吸収率を大きくすれば、音の反射を小さくでき、
  残響時間を短くすることができます。
  壁に吸音素材、窓にカーテンを取り付けたり、カーペットを敷くことにより
  音の吸収率が増加します。
   
Z2.png
   
  音量は距離の2乗に反比例するため、話者とマイクの距離を短くすると、
  直接音の大きさが、反射音に比べ大きくなり、SN比(直接音と反射音の大きさの比率)が
  改善され、音声が明瞭になります。
  一般にビデオ会議システムのマイクにはAGC(Automatic Gain Control)機能があるため、
  残響音が小さくなります。

  

Z3.png 

 

  マイクの指向性を変更することも残響の対策になると考えられます。
  全ての方向からの音を拾う無指向性マイク(non-directional または

  Omnidirectional microphone)を 単一指向性マイク (directional microphone)

  に変更し、直接音を選択的に拾うようにすれば、反射音の影響を小さくできます。

 

Z4.png

Z5.png

3.まとめ

  

  ビデオ会議システムでの音声品質を確保するには、会議室の音響環境への
  配慮が必要です。残響により音声が不明瞭になる場合、天井、壁、床の
  音の反射を小さくする等の対策が必要です。
  必要に応じて会議室の施工業者と相談し、対策を検討してください。

  
参考ドキュメント:

 

Cisco TelePresence Room Design Guide

PROJECT WORKPLACE: Best Practices For Creating Effective Video-Enabled Rooms

Guidelines for video conferencing room acoustics

Cisco Microphones Data Sheet

ビデオ会議室の音響ガイドライン (上記ドキュメントの日本語版)

VTV ジャパン株式会社: テレビ会議教科書: 4. テレビ会議端末の設置環境: 4.1 音響環境

WAVファイルエディタでの残響効果による音声品質への影響の確認

音声WAVファイルから残響を取り除き音声品質の劣化要因を確認する方法

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