FAX/FoIP通信のトラブルシューティング時に収集して頂きたい情報について

[Hiroshi Ishiyama]

はじめに

コミュニケーションの手段として、電子メール、チャットツール、Web会議等が主流になっていますが、
日本国内では依然FAX装置が利用されています。
FAX機器には、G4、G3、SuperG3等の通信方式があり、また、FoIP (FAX over IP) の伝送方式
にも、みなし音声方式、Relay方式、Passthrough方式等の種類があります。
FoIP通信で問題が発生した場合、原因を効率的に調査するためには、まず、利用者にヒアリングを
行い、情報を収集する必要があります。
このドキュメントでは、FoIP通信で問題が発生した際、Cisco TACに問い合わせる前に、
収集して頂きたい情報について説明します。

事前に収集して頂きたい情報

１．使用しているFAX機器について

　　家庭用 G3、業務用 Super G3、G4 FAX　等の種別
　　ECM（Error Correcting Mode)の有無
　　メーカー名、機種名

２．ネットワーク構成

　　システムを構成する機器の接続構成、ソフトウェアバージョン、設定等の情報
　　以下は典型的なFoIP通信システムの接続構成例です。

３．プロトコルについて

　　VoIPプロトコル（SIP、H.323、MGCP、SCCP、等）
　　FoIPプロトコル（T.38 FAX Relay、Modem Passthrough、みなし音声、等）

４．不具合の症状について

　　症状：　FAX通信が最初から失敗する、途中で失敗する、画像が乱れる、等
　　発生頻度：　毎回、時々（xx コール に yy 回 発生）、等

５．不具合の発生の契機

　　導入時から発生、最近発生するようになった、等。
　　関連要因に有無（Voice GW リプレース、ソフトウェア/設定変更、FAX機器変更、等）

６．切り分け作業の実施状況

　　FAX を電話機に変えて音声通話ができるか？　音声品質に問題はないか？
　　別のFAX機種に変えた場合にも不具合は発生するか？
　　FAXの接続先に依存しないか（特定のFAXへの送信、等）？
　　FAXの設定変更で改善しないか（SuperG3 送信を無効、ECM を無効）、等）？
　　通信区間に依存しないか（WAN 回線経由でのみ発生、等）？　　
　　FAXを電話機に置き換えた場合、コールは接続できるか、音声品質に問題ないか？
　　FoIP方式を別の方式に変更した場合に改善しないか？
　　Voice GW の IOS、ATA のファームウェアを変更して改善しないか？

まとめ

FAX/FoIP通信の問題は、様々な要因によって発生するため、調査は難しくなります。
調査を効率的に進めるために、本ドキュメントを参考に、情報の収集、切り分けを
行ってください。