はじめに
Jabber for iPhone がバックグラウンド状態の場合、コールおよび IM(Instant Message)受信には、APNs による Push 通知の利用が必須となりました。
コール着信、IM の受信に問題が発生した場合、Unified CM、IM&P、Jabber for iPhone のログの調査を行い、Push 通知が処理にされているかの確認を行います。
ここでは、 Tracking ID によるコールの追跡調査方法について説明します。
1.PUSH通知のフローとログ取得のポイント

PUSH 通知は、Unified CM / IM&P サーバーから、Cisco Corrabolation Cloud、APNs(Apple Push Notification service)を経由して Jabber for iPhone に送信されます。
PUSH 通知が正しく送信されたかを判断するには、Voice コールの場合はUnified CM の CallManer / Push Notification Service、 Jabber の問題レポートのログを調査します。
また、IM メッセージの場合は、IM&PサーバーのXCP Connection Manager / XCP Router/ XCP Config Manager のログ、Jabber の問題レポートのログの調査を行います。
PUSH 通知には、メッセージの追跡用にユニークな Tracking ID が付与されており、この ID を元に複数のログでメッセージの対応づけを行います。
Cisco Cloud Server のログファイルも、この Tracking ID を基に調査が行われます。 Cisco Cloud Server の調査は、オンプレサポートチームを介してクラウドサポートチームで行います。ログファイルは20日間程度しか保存されていないので調査が必要な場合は、できるだけ早く Service Request をオープンしてください。
HTTPS proxy サーバを利用されている場合は、このサーバのログファイルの調査が必要になる場合もあります。
2.PUSH通知送信に対する応答コードについて
PUSH通知が正常に送信できなかった場合、応答コードから問題の原因を推測します。

上記は、実環境で発生した代表的な応答コードの例です。
200 OKが返送されてきた場合、Cisco Cloud Service は PUSH 通知を処理し、APNs に正常に送信したことを意味します。
200 OKが返送されてきた場合でも、JabberにPUSH通知が届かない事例が多く報告されています。その場合、APNs、端末側ネットワークの調査が必要になります。Apple iOSの不具合が原因でPUSH 通知がアプリに届かない可能性も考えられます。
3.ログファイルの出力例
下記のログファイルは Voice コールで問題が発生した際の出力例です。


下記のログファイルは、 Unified CM(Push Notification Service)と Jabber 問題レポートのログファイルの出力例です。
Tracking ID による、Voiceコールの対応づけが行われます。


まとめ
Jabber for iPhone でコール着信、IM メッセージの受信に問題が発生した場合、関連する Unified CM、IM&P のサービス毎のログ、Jabber iPhone のログ(問題レポート)を収集し調査を行います。
その際、PUSH通知に含まれるTracking IDを元に追跡調査が行われます。
Jabber for iPhone の APNs のトラブルシューティングに役立つログ 等のドキュメントを参考しして、ログの収集、調査を行ってください。