※Intersight のUI(ユーザーインターフェース)が2022年11月にリニューアルされたことに伴い、本文中の表記が実際の配置・構成と異なる部分がございます。
本ドキュメントでは、IntersightのServer Profileを適用しているUCS C220/C240 M5のマザーボード交換手順について説明いたします。
[パーツ手配時の注意点]
- CPU と ヒートシンクは一緒に移設できるため、グリースやクリーニングキットの手配は不要です。
- TPM (Trusted Platform Module) を搭載している場合、TPM は交換後に載せ替えが出来ないため、筐体(マザーボード)交換の度に手配する必要があります。
TPM が搭載されているかどうか、CIMC の Technical support data を確認します。
\tmp の tech_support の Querying All IPMI Sensors、及び tech_support.frupids から判断可能です。
<例:C220 M5/C240 M5>
【搭載されていない場合】
### tech_support ログ
Querying All IPMI Sensors:
FM_TPM_CARD_PRS | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
VRD_P1_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
P1_PVDDQ_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
### tech_support.frupids ログ
FRU Device Description : FRU_TPM (ID 3)
Device not present (Requested sensor, data, or record not found)
【搭載されている場合】
### tech_support ログ
Querying All IPMI Sensors:
FM_TPM_CARD_PRS | disc -> | discrete | 0x0280 | na | na | na | na | na | na |
VRD_P1_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
P1_PVDDQ_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0180 | na | na | na | na | na | na |
### tech_support.frupids ログ
FRU Device Description : FRU_TPM (ID 3)
Board Mfg : Cisco Systems Inc
Board Product : UCSX-TPM2-002
Board Serial : FCHxxxxxxxx
[作業前確認]
(FE 作業)
-
CIMCで現在の状況を確認
- CIMCの[シャーシ]タブで[障害とログ]メニューを選択し、右画面の[障害の概要]を確認して、発生しているFaultを確認します。こちらのFaultについては後ほど確認するため、念のためコード(Fxxxx)メモしておいて下さい。

- [シャーシ] メニュー配下の[概要]を選択し、右画面で対象のサーバのBIOSバージョンとFirmwareバージョンを確認します。

-
サーバプロファイルとライセンスを確認
- Intersight(https://intersight.com/)へログインします。
- "運用"の"サーバ"メニューで、"Add Filter"に交換対象サーバのシリアル番号を入力してリターンキーを押下します。
(新UIでは、Infrastructure Service >> 運用 > サーバ メニュー)

- 交換対象サーバのみが表示されるので、そのサーバプロファイル名(写真の例では"jc240d-import")をメモします。

- そのまま一番右の"‥"をクリックして、"ライセンス階層の設定"を選択します。ポップアップされたウィンドウに表示されるライセンス(写真の例では"Premier")をメモします。キャンセルしてウィンドウは閉じてください。

[交換手順]
IntersightでServer Profileの割り当て解除をすることなく、交換作業は可能になっています。
1. OSシャットダウン
(お客様作業)
OSをシャットダウンします。OSがESXiの場合は作業対象のホスト上で動作している仮想マシンを、別のホストへ移動しておきます。
2. CIMC の設定確認
(お客様作業)
- CIMC の画面から、[Admin/管理者] タブ配下にある [Network/ネットワーキング] から以下の情報を控えていただき、作業員にお伝えください。
- NIC mode:
- CIMC IP:
- Prefix/Subnet:
- Gateway:
- NIC redundancy:
- Port Properties:


- CIMC の画面から、[Admin/管理者] タブ配下にある [Device Connector/デバイス コネクタ] から、[Settings]をクリックして以下の設定情報を控えていただき、作業員にお伝えください。
- 全般のアクセスモード
- DNSの構成
- NTP設定
- Proxy設定
もしくは、「6. Intersightにサーバ再登録」の作業時に、別のサーバのデバイス コネクタの設定を参照できる状態にしてください。


3. ロケータ LED 点灯
(お客様作業)
作業対象特定のために、CIMCの以下のメニューで[ロケータLED] を点灯してください。

4. パーツ交換
(FE 作業)
- ケーブルやディスクなどのパーツを同じ場所へ接続・搭載できるように、マーキングをしてください。
- 機器の電源が off であることを確認します。

- サーバ背面の電源ケーブルやネットワークケーブルを全て抜きます。
- サーバをラックから引き出します。
- 以下の図を参考に②のロックを開放し、そのまま①のラッチを引き上げて天板を外します。

- 搭載されているパーツを、全て新しいサーバの筐体へ載せ替えます。
※ HDD/SDD/DIMM/M.2 Driveは、必ず同じスロットへ載せ替えてください。
- HDD/SSD
- DIMM
- CPU / ヒートシンク
- Mini storage モジュール/M.2 Drive
- Internal USB
- PCIe Card
- MLOM Card
- SAS Storage/RAID Controller, SuperCap
- Micro SD カード(PCIeライザーにスロットがあるので、見落とさないように注意してください)
- Power Supply

- (オプション)TPM を手配している場合は、新しいTPMを装着します。
- 天板を元に戻し、新しいサーバの筐体をラックに戻します。
- サーバ背面のネットワークケーブルを元の通りに接続します。その後、電源ケーブルを元の通りに接続します。
5. CIMC の初期設定
(FE 作業)
- キーボードとディスプレイをサーバに接続します。
- 電源ボタンを押して、サーバを起動させます。
-
以下の起動画面時にF2キーでBIOS 画面に入ります。F2キーを押しても、一通り処理が終わるまでBIOS画面へは移行しません。

-
サーバの時間をUTC(日本時間 - 9時間)で設定します。
時間の設定方法については、下記の弊社資料をご参照ください。
[UCS] UCS C-Series サーバのBIOS 設定方法について
https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3143814
- Save & Exit で BIOS 設定画面を終了します。
- 以下の起動画面時にF8キーで CIMC の設定画面に入ります。一通り処理が終わるまで、CIMC 設定画面へは移行しません。

-
CIMC の設定画面にて、お客様から下記のネットワーク設定情報をいただき([2. CIMCの設定確認] ステップでのメモ)、それぞれの項目を設定します。
- NIC mode:
- CIMC IP:
- Prefix/Subnet:
- Gateway:
- NIC redundancy:
- Port Properties:
CIMC の初期設定については、下記の弊社資料をご参照ください。
[UCS] UCS C-Series サーバのCIMC初期設定方法について
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12397276
- ブラウザからIPアドレスでCIMC GUIへアクセスできることを確認します。
6. Intersightにサーバ再登録
(FE 作業)
お客様からデバイスコネクタの設定情報をいただき([2. CIMCの設定確認] ステップでのメモ)、以下のドキュメントを参照して、サーバをIntersightへ登録します。
[Intersight] Intersightに登録(Direct Claim)したサーバのRMA後のデバイスコネクタ再登録について
https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/4536945
7. Firmwareの変更
(FE 作業)
以下のいずれかの方法で、CIMC と BIOS のバージョンを元のバージョンへ変更します。
8. サーバプロファイルの適用
(FE作業)
- Intersight(https://intersight.com/)へログインします。
- 設定 > プロファイル > サーバプロファイル へ移動し、[作業前確認] の [サーバプロファイルとライセンスを確認] ステップで確認したサーバプロファイルを検索します(写真の例では"NTP_Policy_Test"というサーバプロファイルを検索しています)。
(新UIでは、Infrastructure Service >> 設定 > プロファイル > UCSサーバプロファイル メニュー)

- サーバプロファイルのステータスが、Not Assigned ではない場合は、右の‥メニューから"サーバの割り当て解除"を選択して、"Unassign"を実行します。

- ステータスが Not Assigned になったら、右の‥メニューから"編集"を選択します。

- "全般"では、何も変更せずに"Next"で次のステップへ移行します。

- "サーバの割り当て"では、再登録したサーバを選択して、次のステップへ移行します。

- 何も変更せずに、"サマリー"まで移行して、"Deploy"を実行します。

- プロファイルのステータスが"OK"に変わったら、サーバプロファイルの適用完了です。

9. ライセンスの再適用
(FE作業)
- Intersightで 運用 > サーバ へ移動し、再登録したサーバのシリアル番号を検索します。
(新UIでは、Infrastructure Service >> 運用 > サーバ メニュー)

- 表示されたサーバの一番右の"‥"をメニューから "ライセンス階層の設定" を選択します。

- 設定されているライセンスが、[作業前確認] の [サーバプロファイルとライセンスを確認] ステップで確認したライセンスと同じかどうか確認します。
同じであれば、キャンセルしてポップアップウィンドウを閉じます。
異なる場合は、プルダウンで同じライセンスを選択し、"Set License Tier" を実行します。

- ライセンス変更後は、対象サーバの名前をクリックして、ライセンス階層の変更が反映されていることを確認します。

10. TPM の再設定
(FE作業)
TPMが搭載されていない場合は、このステップはスキップしてください。
TPMが搭載されている場合は、以下の手順で再設定します。
UCS Cシリーズ - TPMの設定方法
https://community.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3145413
11. 交換後の状態確認
(FE 作業)
- CIMCの[シャーシ]タブで[障害とログ]メニューを選択し、右画面の[障害の概要]を確認して、交換前と比べて新しくFaultが発生していないか確認します。

- [シャーシ] メニュー配下の[概要]を選択し、BIOSバージョンとFirmwareバージョンが交換前と同じになっていることを確認します。

12. ホスト起動
- (お客様作業)OSを起動します。
- (FE作業)OS起動後でも、交換前と比べて新しくFaultが発生していないか、CIMCの[シャーシ]タブで[障害とログ]メニューを選択し、右画面の[障害の概要]で確認します。
以上